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宅録って大体キーボード・ドラムマシンで構成されがち



はじめに


どうも、じゃみです。

いやあ、先週から今週にかけて情報量の多い日々が続いておりました。
ビジュアル・音楽ともにブチ上げのケミカルブラザースに続き、彼らとは真逆のUKロック界の重鎮、ポールウェラーを鑑賞し、そして今週半ば金属から音が鳴っているようなハードロックの重鎮、QOTSAを鑑賞し、週末はカニエのヴァルチャーズを楽しみにしていて、なんだ結局出なかったのかと思ったその翌日、突如リリースされてコレまたブチ上がりと、昨日は夕方からひたすらヴァルチャーズを聴いていました。期待を超える力作でしたねヴァルチャーズ。さすが腐っても天才クリエイター、Yeことカニエウェストです。

さて話は変わり、

むかーしレコ屋で働いてた時に、もうそれはそれは嫌というほど"メロウ"だとか"レア盤"だとか"レアグル"だとか"自主制作"だとか"至宝"だとか"秘宝"だとか"未発表"だとか"極上"だとか見たり聞いたりしてきたわけです。まあ今でもそういうキーワードってワクワクしてしまうのは正直な気持ちですが。さて今回はそんな"自主制作"並びに"宅録"にスポットを当てて5枚選んでみました。それではどうぞ。

鈴木慧 - 遠い旅の同行者['80s-'90s]

知る人ぞ知る宅録AOR・CityPop系SSW

この方、界隈では80年代宅録系AOR・CityPOPのSSWで結構有名なようで、現在も音楽をやりつつ、小説も執筆出版してるみたいです。さて本作の内容ですが、80年代、90年代にリリースされた楽曲をまとめたコンピとなります。サウンド面ですが、ド直球すぎるほどの自主制作感に溢れたサウンドで、使われてる楽器はドラムマシンとシンセのみ。故にどこかゲーム音楽のような雰囲気を感じさせつつも、アマチュア特有の不穏な音が時折入ってくるところもまた良し。決して歌は上手くはないものの、味があり、声質としては堀込高樹さんのキーを低くしてローファイ化したような感じ。ものすごくチープなのに繰り返し聴いていると引き込まれる魅力があります。 じゃみスコア 82/100 点 


CHUCK SENRICK - DREAMIN'[1977]

チープなのに上品な宅録SSW作品

何年か前、P-VineのPSYCHEDELIC FLOATERSの企画で本作を知ったのですが、当時ドハマりし、しばらくコレばっかり聴いていたこともある位、大好きな作品です。鈴木慧氏に同じく、アルバムで使ってる楽器はエレピ(フェンダーローズ)とドラムマシン(ドンカマティック)ではあるものの、ドラムマシンのミニマルな響きと、エレピのメロウで洒落っ気のあるチャックのプレイが本作で絶妙なバランスを奏でています。あとなんて言っても彼の歌声が最高で、とても上品でメロディックで、そしてどこかジェイムステイラーにも似た声質なのです。優しく、そしてスタイリッシュなまさに隠れた自主制作の名盤です。 じゃみスコア 88/100点


Joe Tossini and Friends - Lady of Mine[1989]

謎のアンバランスさを保つローファイSSW

いやあ、なんとも不思議なアンバランスさがある自主制作AOR作品です。Joe Tossiniはイタリアの方だそうで、歌のメロディ感はまさにイタリアンな歌唱です。そしてサウンド面ですが、やはり相変わらずのリズムマシン&シンセ、と言いたいところなのですが、時折やけに切れ味のあるホーンセクションがアレンジに取り入れられており、情熱的なボーカル、チープなリズムマシン、時にメロウで時に不穏な鍵盤、そして異様に切れるホーンと、前述したように不思議なアンバランス感を保っている作品です。もはやアメリカ人のChuckがイタリア人だったら?のIFの世界線が本作のように思えてしまいます。 じゃみスコア 80/100点


Ronald Langestraat - Searching[1984]

宅録とは思えない演奏アプローチとアレンジが光る

レベル高すぎです本作。ヴォーカル、ピアノ、オルガン、ドラム、クラリネット、サックス、シンセとマルチにこなせる方とのことで、しかもそれらを4トラックレコーダーを駆使してダブリング録音してしまうのだから演奏力の高さも器用さもトップクラスです。環境はローファイであるものの、スペーシーでサイケデリックでファンキーでそしてメロウな音像は、聴けば聴くほどハマってしまう類のレアグルーヴ作品です。もちろん歌声も素晴らしく、ジェントルかつどこか肩の力の抜けたスムースさもあります。今回記載した5枚の中では1番周りに勧めたい逸品ですね。なおRonald、80代になる現在も活躍中で、新作もリリースしたみたいです。 じゃみスコア 92/100点


Uku Kuut - Vision Of Estonia[1980s]

PEOPLES POTENTIAL UNLIMITEDの発掘作品

この方、ソビエト出身(現エストニア)だそうで、作品は84年から85年にかけてレコーディングされたものとのことです。さて内容ですが、これまた80s直球とも言える煌びやかなゲーム音楽ばりのシンセの鳴るアーバンなエレクトロニックファンクです。なんでも本作はPEOPLES POTENTIAL UNLIMITEDというアメリカのレアソウル・ファンクを主に発掘してるレーベルがリリースしたそうで、調べると他にも興味深い作品がチラホラ。そして過去音源でなく新作もリリースしてるそうで、最近だとなんと日本のバンド、TAMTAMの新作も此処からリリースとのことです。ぼくもちょっとPPU関連の音源、漁ってみようかな。というかTAMTAMの新作は普通に聴こうと思います。 じゃみスコア 78/100点


おわりに

いかがでしたか。なんやかんや自主制作ないし宅録ってシンセとリズムマシンに陥りがちな気がしますが、それでも様々な個性があって、色々聴いていて面白く、そして楽しかったです。さて次回はちょっくらPEOPLES POTENTIAL UNLIMITEDのリリース群をディグって見ようかかと思う所存です。ではまた。(全然新譜追えてねぇ・・・)


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