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父が倒れた④

こんにちは。

手術も終わり、コロナで面会に行けないので全部病院にお任せしている状況です。

なんとか私たちは通常の日常を取り戻し、2、3週間経った頃、病院から連絡がありました。

「○月○日から1日10分だけなら面会可能になります」

その連絡を待っていましたァ!
初日は仕事で抜けれなかったので兄弟が面会に行きました。

「父、めっちゃ元気に歩いてたよ」
「パンツ持ってきて欲しいって言ってた」

え…、元気に歩いている…?

翌日すぐに会いに行った私は1人で杖も使わずにトイレから出てくる父を見ました。
すっかり元気になったのかと思い、話しかけてみると現実に直面します。

「調子はどう?」
「え!来てくれたの?え~~~っと・・・ごめん誰だっけ?顔はわかるけど名前が・・・。」

父は私の名前を憶えていませんでした。
泣きそうになりましたが、ストレスを与えてしまうのではないかと思い、ぐっとこらえます。
名前の頭文字を言ってもピンとくる様子はありません。
紙に名前を書いて見せると思い出したみたい。

10分の面会時間はあっという間でしたが、地獄のように長くも感じました。
病室を出た途端に堪えていた涙が溢れます。
ただただつらかったです。

私はその後何度も病院へ足を運び、たった10分ですが面会をしました。

やっぱり人間ってすごいですね。
どんどん良くなるんですよ。

判断力もかなり回復してきたので携帯を渡してみることにしました。
それからというもの、面会ができなくても状況がわかるのでとても安心しました。

倒れてから2カ月弱、退院が決まりました。
退院とはいっても、リハビリ病院への転院ですが、完全復帰へのスタートにとてもうれしく思いました。

さて、費用ですが…。
倒れてから退院まで総額約350万円です。
もちろん健康保険を適用しますし、限度額認定証申請していますので支払い額はもっと安いです。
本当に日本の医療制度は素晴らしい(n回目)

余談ですが…
父が倒れてから自分のお金で家計を回すのはとてつもなくしんどかったです。
毎日毎日「つれぇ~~~~」と思っていました。
仕事をしながら「あ~私こんなにつらいのに普通の顔して仕事を処理しなきゃいけないんだよな~。」と思っていました。
笑ってる人間がとても嫌な時期でもありましたね。

そういえば、父の緊急対応するために連日で仕事を休んだ際に、事情を知らない他部署の人間に「旅行でも行ってたの~?いいな~」と言われてとてつもなく腹が立ちました。(事情をしらないのだから仕方ないです)

私、頑張りましたよね…。20歳にしてかなり落ち着いて対応できましたよね…。書いていたらつらくなってきたので美味いラーメンでも食べようと思います。

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