1兆ドルコーチに感動したのでcotreeの体験コーチングを受けたら王騎や廉頗のように過去に縛られていたと分かった件
今回のnoteは、皆さんご存知、cotreeさんの「アセスメントコーチング」体験談を語ろうと思います。こちらですね。
だいぶ前、そうですね、かれこれ10年くらい前に「コーチング」について気になって勉強していました。
カリスマ清宮の後を継いで早稲田大学ラグビー蹴球部の監督に就任し、2007年から2連覇を成し遂げた中竹竜二さんのコーチングに関する書籍が凄く好きで、何冊か読破しました。
赤線も引かれて、付箋もビッシリです。この辺は分かりやすい。
清宮さんというカリスマの後を継いで結果を出された人なので、言葉の重みがだいぶ違うんですよね。しっかり考えているなぁ、という感じ。
スタンスは違いますが、恐怖政治・星野仙一の後を継いだ落合博満さんに近いですね。え…?やまだ?山田…久志?ラジアンリミテッドですか?
ありべきリーダー像とは? あるべきマネジメントとは? ソフトウェア開発のPM/PMOを担っていた頃、役職としてのマネジメントと、リーダーとして行うべきマネジメントに乖離が生じて、結構苦しみました。
だからこそ、リーダーシップ、フォロワーシップを学びたくて、中竹さんの書籍を何冊か手に取りました。
しかし、本を読んでも実践にまで移すのは難しい。読む、理解する、実践するにはそれぞれ大きな隔たりがあるのでしょう。
言うは易し、行うは難し、西川はきよし。なのです。
最終的には「サーバントリーダーシップ」という凄く分厚い本を読んだのですが、まったく理解できなくて「わからん!」と匙を投げました。
そして「いったんスペシャリストの道に進もう」と考えて、データサイエンスを学ぶために社会人大学院に進むことにしました。
私の中で、かれこれ6年ぐらい「コーチング」「フォロワーシップ」「リーダーシップ」は、壺の中に封印されて仕舞い込まれていました。
サーシャ・バインと1兆ドルコーチ
2019年、壺に封したはずの「コーチング」「フォロワーシップ」「リーダーシップ」が、期せずして口を開きました。
壺の封が開くキッカケの1つが、サーシャ・バインさんの存在です。テニスプレイヤー・大阪なおみ選手の元コーチです。
コート上で荒れる大坂選手に、自ら跪いて「下から目線」で根気強く宥める姿をご記憶の方も多いかもしれません。選手をリスペクトするだけでなく、時に強くリードする姿勢に感銘を受けました。
彼の本を読んで、誠実さ、真摯さ、真面目さ、一所懸命さが大切だと学び、同時に「こういう人と過ごす2年間、3年間は、人生の中でダイヤモンドのように輝いた時間だったと振り返られるだろうな」と感じたものです。
これまで読んだ書籍はどちらかと言えば、組織を軸とした個人の在り方が説かれていたと感じたのですが、サーシャ・バインさんは「人間としてどうあるべきか?」を問うていたと感じました。
2019年は私自身の露出が少しながら増えて、2020年、21年と加速させるにあたり、いかにファンをがっかりさせないか、一方で自分らしさを出し切るかが課題だと考えていたので「人間としてどうあるべきか?」は魅力的かつ重要なテーマだと思ったのです。
ここで、私の中の「コーチング」熱が少し高まりました。
もう1つのキッカケが、最近刊行された「1兆ドルコーチ」です。書店に行けば、どこも入り口近くに平積みにされていますね。今、一番売れているのではないでしょうか。
ビル・キャンベルさんが、深々と帽子を被った横顔の姿が非常に印象的。
スティーブ・ジョブズ(アップル共同創業者)、 エリック・シュミット(グーグル元会長兼CEO)、 ラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリン(共にグーグル共同創業者)、 ベン・ホロウィッツ(『HARD THINGS』著者)、 マリッサ・メイヤー(ヤフー!元CEO)、 チャド・ハーリー(ユーチューブ共同創業者)…様々な経営者のコーチだそうです。
この本が、また良いんだ。
ビルは4つの資質を人に求めた。まずは「知性」。これは勉強ができるということではない。さまざまな分野の話をすばやく取り入れ、それらをつなげる能力を持っていることだ。ビルはこれを「遠い類推」(かけ離れたものごとをつなげる発想)と読んだ。そして「勤勉」であること。「誠実」であること。そして最後に、あの定義の難しい資質、「グリット」を持っていること。打ちのめされても立ち上がり、再びトライする情熱と根気強さだ。
ビルはこの4つの資質があると思える人には、ほかの多くの欠点に目をつぶった。彼は面接で候補者をこれらの観点から評価する際、その人が何を成し遂げたかだけでなく、どうやって成し遂げたかを尋ねた。
知性、勤勉、誠実、グリット。そういう資質を求めてくれる人と働けるのって、胸熱じゃないですか。口ではワンチーム、ギブ&ギブと言いますが、実際は俺が俺が、テイク&テイクの人は多い。
理想論と現実解の対比というより、言うは易し、行うは難し、横山はやすし。なんですよね。
ドラッカーが言うところの「真摯さ」みたいなもんかな?と思いました。ドラッカーは「現代の経営」で以下のように述べています。
日頃言っていることを昇格人事に反映させなければ、 優れた組織をつくることはできない。 本気なことを示す決定打は、人事において、 断固、人格的な真摯さを評価することである。 なぜなら、リーダシップが発揮されるのは、 人格においてだからである。
真摯さは習得できない。仕事についたときにもっていなければ、 あとで身につけることはできない。 真摯さはごまかしがきかない。 一緒に働けば、その者が真摯であるかどうかは数週間でわかる。 部下たちは、無能、無知、頼りなさ、無作法など、 ほとんどのことは許す。しかし、真摯さの欠如だけは許さない。 そして、そのような者を選ぶマネジメントを許さない。
原著では「integrity」と記しています。正直、誠実、高潔…のような意味合いがありますね。
私は「自分の親に会わせたいかどうか」で上司を判断していました。「こういう人と一緒に仕事をしています」と紹介できないような人の下では働けない。自慢をしたいという意味ではなく、後になって親から「あんた、あの人は大丈夫なんか?」と心配されるような人は避けたい。
逆もしかりで、できるだけ親に会わせたくない!と思われないようなマネジメントスタイルを心がけました。
「1兆ドルコーチ」から学ぶ内容がたくさんあります。が、全身に電流が流れた、もっとも痺れた一文がコチラです。
「どうやって部下をやる気にさせ、与えられた環境で成功させるか? 独裁者になっても仕方がない。ああしろこうしろと指図するんじゃない。同じ部屋で一緒に過ごして、自分は大事にされていると、部下に実感させろ。耳を傾け、注意を払え。それが最高のマネジャーのすることだ」
これや!と思いました。この言葉に、あと5年早く出会っていれば、私の人生は大きく変わっていた、とすら思いました。中竹さんもおっしゃっていたのかもしれませんが、なぜか私の心にグサリと刺さりました。
cotreeのコーチングを受ける
「1兆ドルコーチ」を読み終えて、私は結構な思い違いをしていたのかもしれない…と感じるようになりました。
事例を理解するのではなく、私自身の心の中にある「答え」を拾うためにサポートしてくれるのが「コーチング」ではないか?
私が、私のために努力するのに、支えとなってくれる存在が「コーチ」ではないか?
「1兆ドルコーチ」を読んで、エグゼクティブこそコーチングを受けていると知り「そらそうやな」と納得しました。なぜなら、心理的重圧の圧し掛かる高ストレス環境で圧倒的パフォーマンスを発揮しないといけない瞬間、一緒に心を支えてくれる誰かを欲するのは当然だからです。
ワイも支えが欲しい…。
嫁にもワンワンにも支えられているけど、弱さを見せられない時がある…弱さを見せて良い支えが欲しい…。
そんな時、cotreeのCNO(Chief Note Officer)であるひらやまさんから、体験版コーチングサービスを紹介して頂き、飛び掛かりました。
アセスメントコーチングサービスは、オンライン対話・オフライン対話も選択出来て、1時間みっちりコーチとお話できます。私の場合、ちょっと仕事が立て込んでいたので「オンライン対話」を選択しました。
しかも性格特性診断に基づいて対話を繰り広げられるので「私ってどういう人間?」という前提理解も進みます。ここがありがたかった。
どんな話をするのかな…と最初は緊張していたのですが、コーチに緊張を解されつつ「何について考えたいか?」から話はスタート。
最初から怒涛の質問責めです。デプスインタビューじゃん。
コ「どうなれていたら理想的ですか?」
コ「それができると、具体的にどんな良いこと起きそうですか?」
決してYES/NOで完結しないオープンクエスチョンが、矢継ぎ早に飛んできます。しかも過去を振り返るのではなく、未来を見据えた質問ばかり。考える時間を与えないというか、本当はどう思っているの?と問われているようで、私も普段は口にしない言葉が出てきます。
松「良い意味で勘違いできたら…。周りの人から支えられていると思いつつ、良いoutput出せているよねと自己陶酔したいです」
松「殻を破った感じを持てます。どうしても内にこもりがちなので。内にこもる良さはあります。内と外、両方バランス持てたら良いな、と」
だんだんと、コーチを通じて、もう一人の自分と対話しているような感覚を持ちます。これはやってみないと感じれないかもしれませんが本当にそう。
鏡を前に話している感じ。
私では無いんだけど、私でなくもない感じ。
右手を挙げれば左手を挙げるけど、全体は私のよう。
「もう一人の私」と対話を続けると、自分の中に「成熟できないジレンマ」「素直になれないジレンマ」を抱えていると気付きました。
※ちなみに無理を言いまして、対話のコメント録を後から頂戴しました。その振り返りを見ながらコメントしています。
嫁と出会った当初は凄く怒られたのですが、素直に褒めて頂いても、本音では「違うんだろうな」と思ってしまう悪い癖が私にはありました。言葉を受け止められなくて、裏を考えてしまう時があるのです。嫁に調教されて、今ではだいぶマシになりましたが。
その理由が、本当に下らない。「オレ、偉ぶってない?」「権力見せつけてない?」みたいな、青臭い理由なのです。「ここで"ありがとう"とか認めちゃうと、後で"本出したぐらいで偉そうにありがとうとか言ってた"と思われないかな?」みたいな悪い妄想を直ぐに抱いてしまう。
「私なんかが本出してすいません」とか「それホンネじゃないやろ?」みたいな最低なリアクションをよくしておりました。本当、最低です。
それにしても、コーチングを通じて「人間として熟しきれていないダメな部分」が露呈したのは本当に驚きました。
その理由をコーチが玉ねぎの皮を剥くように、丁寧に解き明かしてくれました。複雑に入り組んだ現代社会に鋭いメスを入れるかのよう。
私は「本音と建前」論を強く抱く傾向にあると分かりました。特に仕事では「しんどいよな~分かるわぁ~」という本音と「とは言え、仕事やれよ」という建前があって、その建前が全面に出てしまう。
というのも、最初に入社した会社でクソほど働いた経験が脳に深く染み付いているのではないか?という話をしました。
2007年~2009年。エンジニアと言えば聞こえは良いですが、コード書いて、サーバ立てて(オンプレなのでOSインストールから始まりデータセンターまで行ってサーバ設置して)、運用・保守して、サポートして…。
障害が立て込んだ日には、午前2時くらいに家に帰って、それでもnagiosの通知が止まらないので、怖いから風呂のドア開けたままシャワーを浴びていました。
正直、本音で言えば「クソが!」ですし、建前で言っても「クソが!」なんですけどね。
でも人が増え、組織化が進み、売上も拡大し、早く帰れるようになり、関係各位の尽力があって上場に至って、いつの間にか「あの頃」を自分が求めるようになっていたのです。
いつの間にか、あの時代を自分の中で美化してしまっていて「クソだけどそれぐらいしないと組織は大きくならない」と考えてしまっていた。(一種の凋落主義のようなバイアスですね)
結果的に組織は変わったのに、私自身が「ワークライフバランス」「プライベートも充実させる」という組織の建前に付いていけなくて「とは言えクソみたいに仕事しなきゃいけないでしょ?」という建前論を言うようになってしまっていた。
そんな建前論に違和感を抱く人に本音でぶつかることも無く、ただ建前だけを振りかざしてしまっていた…。意固地になっていたんですね。それがどんどん心を蝕んで、全ての人が本音・建前で生きていると思ってしまった。
文字にすると最低過ぎて泣ける。どうか、笑ってやって下さい。
慄然とするわけですよ。自分じゃない自分を通じて、何かとんでもないモノに囚われてしまっていた自分に。
コ「働いていた頃のイメージを変えられたら、より良くなりそうですか?」
松「1つの時代、それはそれでよかったよね、と区切りをつけないといけないですね…。もう1度新しいもの、自分の中で作らないといけないです」
コ「新しいもののイメージはありますか?」
松「うーん…全くイメージわいていません。自分の中で、作り上げれるイメージも、まだ無いです。そういうのを求めて、うろうろしちゃってる」
自分で言っておいて(ワシは昭王を失った王騎か!)と心の中でツッコミを入れました。
「あの頃」を求めて、私は過去の自分と戦っている。本を出したり、TVに出たり、雑誌に載ったり、良く言えば、過去の自分の努力と戦っている。
でもそれは、過去の自分に縛られていると同義なんですよね。いつまでも過去の自分と比較して、勝った負けたと競り合っている。なんて格好悪い。
それが分かっているのに、なかなか抜け出せないのは、自分の中で燻っている残り火の始末が負えないからでしょう。
あの王騎ですら燻り続けた。「六大将軍」の影を振り払うのに必死だった。廉頗だって「元趙三大天」の影を振り払うのに必死だった。みんな戦っていた「あの時代」を追っていた…。
キングダム22巻でも、こんなシーンがありましたよね。廉頗に対して、腕を切り落とされた蒙驁が強く訴えるシーン。
王騎が李牧に敗れ、いよいよ世代交代が目前に迫っている。時代は確実に前へ進もうとしている。
しかし…。
【引用元】キングダム22巻(刊行:集英社、著:原泰久)
間違いなくそうなんですよ。蒙驁が言うように、私は、色褪せることを焦っていたのかもしれません。
私は過去の自分と戦っているようで、過去の自分が追いやられてしまうのが怖くて、青臭い建前論をぶったり、自分の限界に挑むように本を書いたり、こんなもんじゃないだろう!と叱咤していたのかもしれません。
コーチの言葉が、蒙驁のようにも思えました。
建前に縛られ続ける私に、コーチは「縛られなくなると、どうなります?」と聞いてくれました。
私は、答えました。
松「~する"べき"からの解放…内からの解放だと感じました。外に目が向いて、人を赦し、自分を赦せると思います」
その瞬間、自分の心がものすごーく軽くなっていると気付けました。
結論
コーチングは良い。
心の弱い、強いは関係無い。
家族、親友以外にも、支えてくれる人がいるのは良い。
そしてcotreeさんのコーチングは非常に良い。
ワシ、7回プラン申し込もうと思っています。
以上、お手数ですがよろしくお願いいたします。
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