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ゲームさんぽがめっちゃ好きという話

家にいる時間の多くを私はキッチンで過ごしていて、その時は大抵YouTube で動画をみながらご飯を作ったり書類を書いたりする。
見るチャンネルはある程度決まっていて、ゲーム実況だったり料理動画だったりするが、そのひとつが「ゲームさんぽ」というコンテンツだ。

最初に見たのがなんだったかもう思い出せないくらいゲームさんぽを視聴しているのだけれど、最初は「ゲームさんぽ」というタイトルの意味がよくわからなかったので、これを読んでいる人にも簡単に説明したい。ざっくり言えば、「ゲームを専門家と一緒にやって、色々コメントや解説をしてもらう」というものだ。

例えば、「フランス政府機関のかなり偉い人とアサシンクリードで観光してみた」だと、アサシンクリードユニティというフランス革命時代のパリを舞台としたゲームを編集部のマスダさんが操作してパリの街をあちこち移動。それを一緒に見ながら、ゲストのフランス政府機関のかなり偉い人と、パリのガイドブックなどを書かれている方が「ここには有名なアイスクリーム屋さんがあるんですよ!」とか「この時代のフランスというのはこういう時代でしたから、こんなこともありますよね〜今はいい時代ですね〜hahaha〜」と、現代の情報や歴史や文化に触れながら見ていく、という感じ。このフランス政府機関のかなり偉い人が非常に教養を感じる方で実に面白かったので、是非お勧めしたい。

古代ギリシャ研究家とギリシャ観光古代ギリシャ研究家と冥界脱出古代ギリシャ研究家と見る「FGO」の英雄も面白くて何度見たかわからない。この古代ギリシャ研究家・藤村シシンさんが最高に面白いのだ。聖闘士星矢から古代ギリシャに関心を持ち、今や古代ギリシャ研究家として活動氏ていらっしゃるわけだが、いつ拝見しても実に楽しそうなのだ。衣装はいつも古代ギリシア人として選んでおられるし、ご自宅には推しのアポロンの像や、神殿の柱と思しきものがある。研究家と名乗っておられるので、知識が豊富なのは当然のこと、出てくる神々やギリシアの世界観、当時の文化や考え方などを面白おかしく語ってくれる。
要するに、「めっちゃ知識いっぱいのガチオタ」なのだ。オタクが推しジャンル、推しキャラを熱弁するほど面白いことはない。アサクリ、ハデス、FGOとゲームタイトルが違っても、それぞれのゲームの中の古代ギリシアについて丁寧に解説、熱く語ってくれる。それがすごく面白い。実は私は上記のゲームはどれも遊んだことがないし、古代ギリシアに関するコンテンツもさほど触れて来ていないのだけれど、シシンさんが語っている知識の裏付けがある解説が楽しいので、シシンさん関連のゲームさんぽは本当に繰り返し繰り返し見ている。
シシンさんの講座、是非受講したいと常々思っている。4月から受容史の講座をされるようなので申し込んでみようかな。月1回だしアーカイブ配信もあるようなので、それならちゃんと参加できる気がする。

それから、歩荷と背負うデスストも是非見てほしいゲームさんぽのひとつだ。恥ずかしながら、私はこの動画で初めて「歩荷」という仕事を知った。山岳地帯で荷物を運ぶ仕事で、自然を相手にした肉体労働は私の想像を遥かに超える大変なものだろうと想像する。
デススト、正式タイトルは「デス・ストランディング」は小島秀夫監督率いるコジマプロダクションにより製作されたゲームで、荒廃し分断された世界を、荷運びをしながら繋いでいく。私も実際にプレイして、広大なマップを荷物を背負って危険な目に遭いながらも道を繋ぎ、人を繋ぎ、有体にいえばこの世を救った。かなり壮大な物語であり、もはやこれは参加型の映画なのでは?というくらい作り込まれたストーリーだった。時間はかかるけれど、是非一度やってみて欲しいゲームである。
さて、このデスストのゲームさんぽ。プレイヤーとしての私は「風が吹いてると本当に前に進まない!おもしろ〜!」「ここ、梯子かけてみる?まあなんとかなるやろ!」と思って遊んだけれど、それはあくまでもゲームをプレイする空想上の動きなのだ。
けれどゲストの秋本さんは、ガジェット、サムの身体の使い方、山登り山歩きのテクニックなどに着目している。「そこは早く抜けた方がいいです。危ない」「その荷物の背負い方は背骨が折れます!サムにはこれからまだ20年30年歩荷してもらいたいので体大事にしてください!」と彼の実際の経験に基づいた視点でコメントする。

この違いこそにゲームさんぽの面白さがある。
同じものを見ながら、同じようには見ていないのだ。どの視点から見るかで、ゲームというコンテンツが全然違うものに感じられる。ただ単に「知識があると、このゲームより楽しめる」というだけではない。私自身も楽しんだゲームであったとしても、別の人から見ると全然違う楽しみ方がある。
美味しいケーキを前に、「味が美味しい!」「見た目が最高!」「使っている素材の組み合わせが面白い」「この価格なのがすごい」「地域性を取り込んでいて良い」等、人によって感想が違い、そしてそれは当然全部正しい。
それを非常にわかりやすく楽しく体験できるのが「ゲームさんぽ」なのだ。

まあ、私の語彙力乏しい説明なんかよりも、まず見てほしい。そのゲームをプレイしていなくても構わない。私はポケモンは遊んだことがなくてまったく明るくないのだけれど、雑草の専門家とポケモン図鑑研究会もめちゃくちゃ面白かったし、ペーパードライバーだけど全日本ラリーの覇者とレースゲームをやってみたも面白かった。
コンテンツをきちんと作っておられるので、どれをみてもハズレはないと思う。専門家が難しくなく色々話してくれるのだ。普段生きていてなかなか接点のない研究者の人の考え方やご意見を聞ける機会なんてまずないので、そういう意味でもおすすめしたい。

他にもおすすめしたいゲームさんぽはたくさんあるのだが、最近は三国志研究の先生のものが好き。渡邉先生があまりにも諸葛亮が好きすぎるのが面白いのだけれど、やっぱり確実な知識を土台とした考察・解説が非常にわかりやすい。でもお勧めする最終的な決め手は、「渡邉先生のお喋りや雰囲気が楽しいから」が1番かな。

知識が欲しいだけなら本を読んだり講座に足を運べばいい。
ゲームと知識が掛け合わさることで生まれるものが楽しいのだ。

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