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クライエントの言葉をそのまま使う! キャリアコンサルタント試験面接対策

前回、簡単な会話例と3つ問題を出していました。

【前回の会話例】
クライエントは妊娠を機に退職したものの第1子誕生後就職しようと活動していたときの話です。

CL:まだ子どもが小さいので一緒にハローワークに行ったのですが、子どもがグズってミルクを飲ませようと思ったんです。

CC:お子さんがグズってしまって・・・

CL:ハローワークの職員に授乳室を訪ねて案内された場所が、フロアの一角をつい立てで囲っただけのもので・・・、でも子どもが泣き出すものですから、その場所で授乳することにしましたが・・・

CC:びっくりしたんですね。

CL:・・・それは違います。


【質問】
1 コンサルタントの応答について、どう思いますか。
2 このあとコンサルタントは何と話せばいいでしょうか。
3 このやりとりを修正できればどこをどう修正しますか。

【質問1】
つい立だけで囲っただけの授乳室の話をした後のコンサルタントの応答はコンサルタントの感想、勝手な思い込みの感があります。

面接の逐語訳だけですので、その時のクライエントの表情、動作は一切わかりません。

その時、クライエントがビックリした動作をしたかもしれませんが、この逐語訳だけで考えると、「びっくりしたんですね」は、コンサルタントの思い込みと言えるでしょう。
コンサルタントがびっくりしたのではないでしょうか。
カウンセリングはクライエントの話す事柄、気持ち、考えなどをコンサルタントが伝え返すことで、クライエントが自分自身を整理、理解できるようになることです。
コンサルタントの意見、考え、解釈を話すことは原則としてありません。
コンサルタントの勝手な思い込みを口に出さないためには次のポイントを確認してください。

【質問1のポイント】
クライエントの感情ワードは、そのまましっかり繰り返し伝える。
→クライエントが話していない感情ワードをコンサルタントが話すことはありません、話してはいけない。 

【質問2】
コンサルタントは唐突に否定された気がして焦りましたが、気を取り直して続けました。

CC:失礼しました。その時のお気持ちをお聞かせいただけますか。

CL:本当に恥ずかしかったんですよ。

CC:恥ずかしかったんですね。つい立で囲っただけでしたよね。

CL:そうなんです。

まず、コンサルタントは思い込みをしていましたから最初に「失礼しました」と断って始めます。
続けて、「その時のお気持ちをお聞かせいただけますか」と質問技法によって明らかにしようとしています。
質問によりクライエント自らがその時の気持ちを話す展開になりコンサルタントの間違いは修正されました。

【質問技法】
質問技法についてお話します。

クライエントの話で、?と思うことがあるときどうしますか?
ロールプレイでそんな経験したことはないでしょうか。
これからその?について話すのかなと見過ごし、結局?は解消されないまま話が展開してしまったということはありませんか。

疑問に思うことは聞いてください。
クライエントがどんどん話す間はタイミングを見計らって聞いてください。
疑問に思い、すぐに聞くことができればいいですが、話が展開したときは、タイミングをみてこう言ったらどうでしょうか。

CC:先程◯◯◯とお話になりましたが、もう少し具体的にお話いただけますか。

本当によく分からなかった場合はこう話してはどうでしょう。

CC:先程◯◯◯とお話になりましたが、申し訳ありませんが、よく理解ができませんでした。もう少し具体的にお話いただけますか。

分からないまま進んでしまうことは避けたいですね。

【質問3】

CC:びっくりしたんですね。

上記箇所をこう修正するといいのではないでしょうか。

CC:授乳室がつい立で囲っただけの場所だったんですね。

CL:そうなんです、つい立だけで。

CC:その時どんなお気持ちでした。

CL:とても恥ずかしくって

CC:とても恥ずかしかったんですね。

コンサルタントの感想、勝手な解釈はカウンセリングプロセスでは原則としてダメですね。
クライエントの気持ちにフォーカスする基本技法をいつも頭に置いて進みましょう。

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