パレスチナ人を守る、オリーブ摘みボランティア体験記
こんにちは!最近ドラマ「ごくせん2」を一気に見た、JVCパレスチナ事業現地インターンの齊木です!
もう10年以上前のドラマなので、記憶にない方もいるかもしれませんが、自分は子どものころからあのドラマが好きで、たまに見ています(笑)
特に速水もこみちさん演じる土屋光という不良のキャラが好きなのですが、今はおそらくもこみちさんといえば、「ごくせん」ではなく、オリーブオイルのイメージが強いと思います。でも、自分の中では未だに「ごくせん2」の土屋なのですが。
さて、今回はそんなもこみちさんのトレードマーク・オリーブオイルについてお話します。実はパレスチナではオリーブオイルの生産がとても盛んです。油用のオリーブは収穫時期が10月中旬から11月と言われており、パレスチナのオリーブ農家の皆さんにとっては今がまさに繁忙期と言えるでしょう。また搾油機から出た搾りかすは家畜の飼料などに使われるため、彼らにとってオリーブはまさに必需品です。
しかし、オリーブの収穫はすべてが順調というわけではありません。パレスチナのオリーブ農家は日々イスラエル入植者に悩まされています。イスラエル入植者は彼らの土地に無断で侵入し、オリーブを盗んだり、放火することで彼らに嫌がらせをしています。時にはイスラエル兵が不法侵入することもあるようで、オリーブ畑に薬きょうが落ちている、ということもあるようです。
国際NGOの連合は、そのようなオリーブ農家を支援すべく、イスラエル人入植地に隣接している場所でのオリーブ収穫のボランティアを行っています。以下はそのボランティア活動の内容をまとめたものです。
ボランティアスケジュール
8:00-8:30 自治区の中心地・ラマッラーに集合。バスでセルフィートへ
9:30-9:50 集合場所(Iskaka市庁舎)に到着、他の参加者たちと合流
パレスチナ支援をしている国際NGO連合の代表とPNGO (パレスチナのローカルNGOの連合)の代表者から挨拶
PARC(ローカルNGO)からオリーブ収穫に関する概要説明
村議会から村についての概要説明
ボランティアのグループ分け
※JVCのかつてのパートナー団体であったMRSのラマッラ本部(PMRS)の代表・ムスタファ・バルグーティ氏も挨拶をされました。
10:00-14:00 パレスチナ人農家の人とオリーブ収穫(Iskaka and Yasufにて)
11:30 オリーブ収穫の間に軽食(総菜パンのようなもの)
↑ 村の人たちがお茶やコーヒーをふるまってくれました。
14:00-15:00 アル・ラウヤに集合(再建された古民家のあるコミュニティ センターのような場所で、同時に観光地のような形態になっている)センターの代表者からの挨拶があり、この村の歴史や説明があったあとで、「国際団体のみなさんは、どうか短期間ではなく長期にわたるパレスチナ支援プロジェクトを続けて欲しい」とのお願いもありました。
昔の冷蔵庫だそう。電気のない時代はここに貯蔵していたとのこと。
アル・ラウヤではパレスチナの加工食品がたくさん販売されてました。唐辛子のみのペースト、唐辛子とトマトのペースト、マクドゥース(クルミをつめた茄子のオリーブオイル漬け、下の画像)などがあり、多くのボランティア参加者がお土産として購入していきました(JVC駐在員も購入!)。アル・ラウヤにはモザイク床などの装飾がなされた昔の遺跡なども存在し、パレスチナ住民にとっては文化的に重要な場所です。
↑マクドゥース
しかしながらアル・ラウヤの周りは入植地で囲まれており、入植者の不法侵入も後がたちません。そのような不法侵入によって入植地は日々拡大しつつあります。ボランティア活動は入植者の活動を抑止する役割を持っているのです。地元農家の方々は「我々パレスチナ人が常に土地を見回って入植者が活動していないか確認する必要がある」「オリーブ摘みのボランティア活動は土地を守るうえで大変重要」と述べています。
↑アル・ラウヤから見た景色
新型コロナウイルス蔓延の影響で、毎年たくさん来るはずの外国人のボランティアも近年は来れていません。早く新型コロナウイルスが終息し、にぎやかなオリーブ摘みの光景が見れる日が来れば良いなと思います。
JVCのパレスチナ事業では、現地に暮らす人びとの意思を応援する形での支援を行なっています。また、パレスチナの問題を日本社会にも伝えることで、一人ひとりが取り組むための橋渡し役を担うことも試みています。 サポートしていただいた分は全額、JVCのパレスチナ事業に寄付いたします。