「ブラッシュアップライフ」~たった一人の<ウーマン・リブ>(中)
ハリウッドの<フェミニズム映画>三部作
ハリウッドの著名な映画プロデューサーのセクハラを女優たちが告発したことなどをきっかけに激しさを増した #MeToo運動 は、世界の女性たちに街頭行動を促し、<フェミニズム映画>三部作の製作・上映が運動との相乗効果をもたらした。
★「グロリアス 世界を動かした女たち」
(2020年公開、ジュリアン・ムーア主演)
★「スキャンダル」
(2020年公開、シャーリーズ・セロン主演)
★「SHE SAIDシー・セッド その名を暴け」
(2023年公開、キャリー・マリガン主演)
ミス・コンへの抗議行動を描いた「彼女たちの革命前夜」
ハリウッドの<フェミニズム映画>三部作も迫真の演技で考えさせられたが、イギリスで製作された次の実話作品も秀逸で、結末にスカッとした。
★「彼女たちの革命前夜」
(2022年公開、キーラ・ナイトレイ主演)
「彼女たちの革命前夜」とはかなり熱の入った邦題(原題はMisbehaviour)だが、女性解放活動家グループ内部の階級格差、ミス・コン出場者たちの内に秘めた葛藤をていねいに描き、主人公を指導する大学教授の<家父長制>的な考え方、大会主催者と審査員たちの男性視線による<ルッキズム>、審査の司会役を務めた“世界の喜劇王”ボブ・ホープの女性蔑視(※ベトナム侵略戦争支持者であることも当時のニュースフィルムを挿入)に対してもきちんと批判しており、その後の女性解放運動に大きな影響を与えたことを考えあわせれば、「革命前夜」と銘打っても誇張ではない。
主演のキーラ・ナイトレイはインタビューで、「女性解放運動の観点で見ると、ミスコンは女性を“性的対象化”する所」(<otocoto>サイトより)と明確に指摘している。
#MeToo運動 のきっかけは、アメリカのアリッサ・ミラノさん(歌手・女優)が2017年に発信したツイート(※下記)だったが、それからわずか数年ののちに、上記の作品群が生まれたことになる。
このスピード感には驚くほかない。
(つづく)
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