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Jドラ【下剋上球児】その3<終> 阪神レジェンド選手の登場にはびっくり!



阪神の名プレイヤーだった鳥谷敬さんは特別出演か

ドラマ「下剋上球児」(TBS系毎週日曜夜9時)の番組宣伝で知らされていなかったので、プロ野球の名プレイヤーが登場したときは、ホントに驚いた。(↑トップ画像)
 
阪神とロッテで通算18年間プレーし、シーズン最多打点記録や名ショートとして捕殺記録(*)をいまだに保持している鳥谷敬(とりたに・たかし)さんの俳優デビューだ。

(*)【鳥谷敬選手の通算成績】
2004~2019年阪神、2020~21年ロッテに在籍
2234試合出場 打率0.278 本塁打138本 打点830打点
(最高年俸4億円)

「下剋上球児」第1話の後半、鳥谷さんは地元の草野球チーム「ドーマーズ」の一員としてグラウンドに現れ、ピッチャーとバッターで、現役時代さながらの華麗なプレーを見せてくれた。
 
この予想もしていなかった出演には、越山高校野球部員もあまりの球速、巧打に驚き、観ているこっちもセリフまであるので、びっくり仰天!
 
しかも、鳥谷さんのセリフは3つもあった――。
 
(1)越山高校野球部員が、中年チームが現れたことで、「おっさんやないか」と野次を飛ばすと、鳥谷さんは、「くそガキども」と反撃した。

チームの先頭に立って、生意気な口をきく高校野球チームに「くそガキども」と反撃。
(TBS「下剋上球児」より)

(2) スコアに大差がついたにもかかわらず、高校野球チームが、“まだ試合は終わってないよ、こっち若いから夢があるから”と相手ベンチに口惜しまぎれに野次ると、鳥谷さん「夢ってねえ」と苦笑まじりに言った。

「夢ってねえ(夢だけじゃ勝てないんだよ)」と苦笑する場面。
(TBS「下剋上球児」より)

(3)12対2で“おっさんチーム”が勝利すると「いい試合だったよ」と高校生チームを讃えて、鳥谷さん(手前中央)はグラウンドをあとにした。

さっと立ち去る鳥谷さん(中央手前)、カッコよかった。
(TBS「下剋上球児」より)

これが、鳥谷さんの初回だけの特別出演なのか、それとも第2話以降も出演するのかと楽しみにしていたら、残念ながら第2話には登場しなかった。
 
韓国ドラマでは、有名な俳優がチョイ役で出演したりすることがよくあるけど、鳥谷さんは“新人”俳優ながら、リアルな演技を十分楽しませてくれたので、制作者のサービス精神は見事に功を奏したと思う。

「ブラッシュアップ――」に続いて、またもや女性スタッフの勝利!

そのサービス精神とドラマのリアル性を発揮したのは、脚本:奥寺佐渡子、チーフ演出:塚原あや子、プロデュース:新井順子の女性スタッフたちによるものだ。

シーズン2の放送を熱望している「ブラッシュアップライフ」(日テレ・日曜ドラマ枠)に続いて、「女性ならではの感性」(岸田首相の9月発言)などとは口が曲がっても言わない――社会性の奥行きがある手ごたえいっぱいの、革新的なドラマをどんどんみせてほしい。
 
これからの「下剋上球児」には、家族や高校野球の背景に社会的なテーマが隠されているような予感がするが、男性思考の浮世ばなれしたドラマには、みんな飽き飽きしているのだ。
 
実際、それはデータ(視聴率)に現れていて、「どうする家康」(NHK大河ドラマ)などは、高い視聴料を払っている身からすれば、高予算のわりに低視聴率の打開策をこれからどうするんだろうと心配になってくる。
 
韓ドラ「マイディアミスター」(2018年)のような、社会的な貧困と格差という深刻なテーマだが、うまい役者(イ・ソンギュンIUのW主演)の演技に包み込まれ、真実味に溢れていて、観ていて感じ考えさせられる作品が生まれないと、ドラマ界においても<内向きで劣化したニッポン>が世界から置き去りにされる気がする。

「マイディアミスター」のアドレスはこちら☛https://filmarks.com/dramas/6339/9049

【追記】
ドラマ原案の『下剋上球児』著者(菊地高弘氏)が、同書刊行前に発表したWEB記事が美しい写真とともに<Yahoo!ニュースオリジナル>に掲載されている。
 
★<「自信のない子の集まり」だった過疎地の野球部――奇跡の甲子園出場が地域を変えた>
(ライター/菊地高弘、写真/菊地健志)

☛アドレス https://news.yahoo.co.jp/feature/1159/

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