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【韓国映像の<屋台>スケッチ】#2 “幸せの屋台”~「私の頭の中の消しゴム」と「九尾の狐とキケンな同居」

(↑トップ画像)<祝!横浜ベイスターズ CS進出決定> この日(9月29日)の中秋の名月は、横浜スタジアムの野球実況中継で見た。韓国でも同じ日、中秋節(チュソク)で月見を楽しんだそうだ。
 
――韓国の映画やドラマには、さまざまな顔をした<屋台>が登場します。
“幸せの屋台”もその一つです。

「私の頭の中の消しゴム」の“幸せの屋台”

「愛の不時着」(2019年、スタジオドラゴン制作)のソン・イェジンが若年性アルツハイマー病に冒される難しい役柄を熱演した映画「私の頭の中の消しゴム」(2004年)にも、幸せの絶頂だったときに、恋人役のチョン・ウソン<屋台>で仲睦まじく過ごす場面が描かれます。

「私の頭の中の消しゴム」あらすじ ☛ https://filmarks.com/movies/10859  

その“幸せの屋台”が、これです。

社長令嬢とその会社の建築現場で働く青年(のちに建築士)という格差に生きる二人が、<屋台>で心を通わせ、周囲の目もはばからず抱き合うシーン。(「私の頭の中の消しゴム」より)

その幸せが一転してせつない物語に変っていくというのは、韓ドラの定番である財閥ものや復讐ものとはかなり異なり、韓国の映画とドラマに通底している“せつなさ”がじわっと心にしみてくる作品です。
(すでにご覧になったかたも多いと思いますが)

「九尾の狐とキケンな同居」の“幸せの屋台”

韓国ドラマ「九尾の狐とキケンな同居」(2021年、スタジオドラゴン制作)にも“幸せの屋台”が登場します。

「九尾の狐とキケンな同居」あらすじ
九尾の狐であるシン・ウヨは、人間になるために必要な人間の精気を999年間にわたって集めてきた。人間になるには1,000年を迎えるまでに玉に人間の精気を集め、その玉が青く染まらなければならないが、1,000歳を目前にして出会った大学生のイ・ダムがその大事な玉を飲み込んでしまうという非常事態が発生。ウヨはダムが飲み込んだ玉を取り出すため、同居生活を始めることになる。

(シネマトゥデイより)
  https://www.cinematoday.jp/page/A0008132 

「キル・イット~巡り会うふたり~」(2019年)のチャン・ギヨン“九尾の狐”に扮し、「ファイティン・ガール!~Miss Lee~」(2019年、スタジオドラゴン制作)のイ・ヘリが大学生を演じます。
 
“九尾の狐”とは、もともと中国の史書に出てくる九つの尾をもつ獣のことで、天界より遣わされた神獣だそうですから、人間に化けているけれど、ヒトの俗事にはまったくうとく、もちろん酒場などに足を踏み入れたことすらありません。

二人が入った<屋台>は奇妙な場所にあった。街はずれの道路上に設営されていたからだ。
“九尾の狐”にはふさわしいのかもしれないが。(「九尾の狐とキケンな同居」より)

それなのに、大学生のイ・ダム(イ・ヘリ)は、“九尾の狐”のシン・ウヨ(チャン・ギヨン)<屋台>に誘いだし、二人の仲はいい感じになるのですが、どのような関係に発展するか、はてまた“九尾の狐”は人間に無事なることができるのか――二人とも好きな俳優なので、最後までハラハラドキドキしながら観てしまいました。

日本の<屋台>はたいがいオジサンが店主なのだが、韓国ドラマの中ではおばさんが多く、実際にそうだとしたら、深夜など、それこそキケンな気もするが。(「九尾の狐とキケンな同居」より)


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