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正座-静座-座禅(上)

武術と呼吸法・姿勢は切り離せないもので、更に気力の集中・心のコントロールも欠かせません。鶴山先生は稽古の始まる前、終わった後に静座法を取り入れていました。ただ、正座して黙想し、礼をするのではなく、「姿勢を正しくするばかりでなく、腰をぴったり据え、頭容を正して、ゆったりとした気持ちで背骨を伸ばし、気海丹田に気の力を集中させ、気息をみなぎらせる。」「この呼吸法と姿勢矯正が一体になったもの」が静座法であるとしています。(引用は「図解コーチ合気道」から)今回は正座-静座-座禅と題した主に結跏趺座(けっかふざ)に関するメモを紹介します。

正座を続ける初期の段階は、下肢が痛くなることである。この下肢が痛いと言っている内は、まだ話にならない。それは雑念があるから、痛いとか、かゆいとか、眠いとか、苦しいとかを感じるからである。もちろん足がしびれるのは、その前の段階である。この正座による修行の目的は精神の統一にある。正座をすれば精神が統一できるということでもない。ひたすら正座を続けながら念ずれば何も感じなくなるものである。
石の上にも三年、達磨大師は面壁(めんぺき)九年正座を続けた。昔の人はこのことを正座という言葉よりも静座の方が良いとした。正座とは正しい座り方、つまり字義は姿勢のみを現わしているからである。正座の目的は無心の心境を作ることにある。そのためには静かに座することである。つまり、座禅とはそのことをいうのである。

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