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合気評論23

武田惣角に対する大東流柔術への裏切りが、そのまま盛平翁の生存中にその門下から別派が出た(戦後の師範たちは別派を興した人たちの行動は裏切り行為だといっています。)ことにつながっている、ともいえるでしょう。しかも、その別派を興した諸師範の方が、実質的に盛平翁の技術伝承者であって、合気道の正統派とみられることが多いことなどを知ると、何かそこから因縁めいたものを感じざるをえません。
仏教では、よく因縁ということをいいます。これは、もと現象が起こる原因と、それを結果にまで導く条件とを合わせている言葉です。ところで、経典を解釈する場合に法説(ほっせつ)・譬説(ひせつ)・因縁説という分けをすることがあります。それぞれ、理論的説明・比喩による説明・過去の実例をあげてする説明です。ここから事件の遠因や近因を合わせて因縁という言い方が出てきたといわれ因縁来歴などという等という場合がこれです。合気道諸派にまつわる話題は何か因果応報めいた結語とならざるを得ないようです。(この項「2植芝派合気について」終り)

補足説明:ここまでが、「合気評論」の核心部分です。ここから(合気評論24以降)は、大東流の歴史(伝承)について書かれていますが、鶴山先生は研究途上にあり、目くらましと権威づけのための伝承に引きづられています。大東流の真の歴史は、この原稿から十数年後、久琢磨からの皆伝の口伝によって明らかにされたものでしたから、やむを得ないことでした。ここでは、間違った伝承ではありますが、先生が記した内容(史実と意図せぬ虚構が入り交じったもの)をそのまま紹介することとします。

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