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武道の極意・秘伝集7

「まるくまるく」大東流合気術より
合気術は、まるくまるく円にしぼる、といところにその極意がある。相手が剣で斬ってきたときは、剣道においては一歩下がる。つまり相手の攻撃を直線に避けるわけであるが、この際円を描いて避ければ、相手の攻撃を避けると同時に相手の身に近寄ることになり、攻撃し易くなる。合気術もこの理に基づいて円くしぼるといっている。相手の力を直角に受けずに、こちらに当たる力を円く誘導することである。相手が棒で或いは拳で突いてきたとする。その時、こちらは右に円を描きつつ相手を誘導する。相手は自分の力で一転し、目が回って体が崩れる。重心を失ってしまったところを線香の渦巻きのように中心に縮小してしぼりきるのである。

補足説明:このころ(昭和37年)の鶴山先生は、合気道は始めていましたが、本格的に大東流に取り組んでいない時代です。先生は、昭和36年に佐藤金兵衛氏から中国拳法を学んでおり、この時同氏から合気術のことを聞いた中からの言葉であろう、と推測するところです。それは、後(昭和41年)の電電東京合気杖道部の会報に同氏による「合気叢談」という連載が掲載され合気術について触れられているからです。
筆者が鶴山先生の指導を受けたころには、このような表現は用いていませんでした。ただ、大東流合気柔術の技法には「渦巻きの位」「風車」というものがあり、また体捌きにおいても円く捌く技法は重視されていますから記載の趣旨が極意であることには変わりありません。

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