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大東流基礎理論-和(上)

大東流基礎理論に「和」という考え方があるという、鶴山先生のメモです。
仏教の教えから始まる「和」、これは例えばガンジーが実践した絶対的平和主義ではなく、現世的救済を求め仏教的思想の下で戦争(殺生)を容認する立場の「和」です。なお、仏教が平和主義を唱える宗教とするのは、史実を無視した見解です。仏教も他の宗教と同じようにいろいろなことがありました。また、異論がなさそうに思える「和」についても、その基本原理を無視してこの精神のみを強調することは為政者(リーダー)の戦争政策への協力を強要することにつながり、為政者への批判や異論を封じる手立てとされた、との批判もあります。いずれにせよ、「和」というキーワードを巧みに用いた幕藩体制だった、ということでしょうか。

江戸柳生系合気柔術の基本理念に「和」がある。新陰流兵法の戦国武法から平和武法へ、の考え方を受けたものである。相手を制した後に「誰何の事」で残心をとりつつ改悛の機会を与える、これが典型技法である。
徳川将軍家は他藩と違って大名の頭領としての役割がある、そこで「和」精神を用いてその役割を果たしたのである。こういったこともあり、徳川幕府は仏教優遇政策をとった。

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