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武道の極意・秘伝集13

4目当(目標)は成るたけ大きくつけるべし。諺に棒ほど願って針ほど叶うということあり。とにかく目当は大事なり。まず昔の名人上手といわれた人を目当といたし、また当時の上手達者なるものを目当にして練習することが肝要なり。
補足説明:尤もな心得ですが、今も昔も「昔の名人上手といわれた人」を目標にと言われても難しいことです。映像や詳しい資料がある名人上手ならまだしも、千葉周作の時代そのようなものはないでしょう。憧れとしての目標も大事ですが、具体的な目標は身近な上級者ということでしょう。しかもちょっと上の先輩を目標とするのがよい、と思います。気持ちや志しも大切ですが、地に足をつけた稽古も重要です。
 
5余は、年来門人を試し見るに、手の内固き者は多くは不器用にて、器用の者は少なきものなり。まず太刀の持ちようは、
 第一 小指を少しく締めて、
 第二 紅さし指は軽く、
 第三 中指はなお軽く、
 第四 人差し指は「添え指」というて添えるばかりなり。
か様になくては、敵に強く当らぬものなり。
補足説明:執刀法は各流儀の極意でしょう。それぞれの流儀の刀法に適した手の内を採用しているハズです。江戸柳生系合気柔術の手の内は、その名のとおり新陰流兵法の執刀法から来ています。太刀など得物を握り操作するのか、素手で捌くのか、いずれも同じです。

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