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触感を磨く(中)

ところで、この触感を目覚めさせることは、結構難しいことです。
まず、目に見えず、自分自身の感じ方なので、これを相手に体感させ、感じさせてあげることは難しいのです。わかっている上級者がスキンシップで伝えるしかありません。映像ではまず無理です。

「この感じ、今、固まっているでしょ? わかる?」
「うーん、何も感じません。」

といったやりとりを重ねる中で、いつの日か、わかる日がやってくるのを待つのです。
この固まる感じとは、わかりやすい例でいうと、階段下を背に、落ちそうになると全身が硬直して「おっとっと状態」になりますね。これと同じです。

稽古の中で認識し易いのは、2か条だと思います。
力まかせにガンガンやるのでは、ダメですが、相手にも協力してもらって、2か条の形を作り、やさしく・ゆっくり極める。すると、どこかの時点(痛みを感じる直前)で、手首・ひじ・肩・体幹部が硬直するのがわかります。そこで、極め動作は終了=相手に触れた場所の仕事は終了します。そして、この相手の全身硬直を維持したまま、重心の移動で誘導する(倒す)のです。これがわかれば3か条も同様に稽古します、続け1か条・・・
と基礎技(四方投・小手返・回転投・入身投)に展開していきます。

先ほどの2か条の例でいうと、骨を捕り・関節をコントロールする技術、
すなわちロックする(閂(かんぬき)をかけて動けなくする)感触をつかむことが大事です。
また、同時並行して、「骨を捕る」とは別のアプローチである、皮一枚で掴まえる稽古・手摺り系技法の稽古と進めていくのです。

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