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術理を抽出する

昔の形は、形にすべてを語らせていて、一部口伝がある程度で、細かいことは教えてくれません。
教え方も反復練習の中から自得するという方法が主だったと思われます。情報量も少ない中、だからこそ、形稽古に注力したのでしょう。先人の経験と英知をギュギュッと固めた形から、何を学び取るか、どんな術理を抽出できるか、昔も今も共通の課題だと思います。また、形以外に鍛練法など継承されていることもあります、それは昔の筋トレではなかったハズ、何のために、なぜその鍛錬をやらせるのか?    意識を新たにすべきでしょう。

では、形から術理を抽出するための方法や視点をご紹介しましょう。
①自分の身体の使い方に着目
 技は何らかの力を相手に通すことで成立しました、そのためには・・・まず、自分の身体の使い方だけ考えてみる(分析する)ことから始めます。
②相手の身体を操作すること着目
 相手(ヒト)の骨格や筋肉を知り、その弱点を見つけ・・・自分の身体のコントロールの次は相手の身体のコントロールです。
③相手との相互関係に着目
 相手と接触した時点で重心その他力関係が変化します。2本足から4本足になったのですから、これをどう扱うのか・・・安定と不安定など相手があってこその分析が重要です。
④よく似た動きに着目
 形の中には同じような動きに見えるものも多くあるハズです。これらは本当に同じものなのか、似て非なるものなのか・・・似たものどうしは溶けやすいという抽出の方法を使って溶かして(解かして)みることも一方です。
⑤動きの速さに着目
 形のスピードを変えてみる、超スローにしてみる、速くしてみる、と技は成立するのか・・・技の性質によって速度に対する親和性は異なりますね、一般的には速い方がいいと思われているかも知れませんが、速すぎると相手が反応できないということもありますね、また、超スロー(コマ送り)にしてみると見えてくるものが、たくさんあります。
⑥心のあり方に着目
 相手と自分が何を考えているか、感じているか、どんな気持ちなのか・・・心と体はつながっていますから、これを理解して利用する(されないように気をつける)、身体をコントロールする、そんなノウハウが形の中に・・・研究課題ですね。


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