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日本伝合気柔術 技法稽古に入る初学者のための基礎知識7

日本伝合気・柔術-大東流三大技法-の特長
大東流三大技法は技法別にその対象者、習える範囲が厳格に決められていた。そして、系統ごとに皆伝があり、本来の想定は皆伝者が3人いるというものであった。武田惣角が大東流合気柔術と総称して皆伝した技法群について、久琢磨は大東流三大技法という大東流の全体構成を後世に伝えるために、柔術・合気柔術・合気之術という3種類の皆伝を出すのでは無くこれらを統合したものを日本伝合気柔術と命名し、鶴山先生に皆伝したのである。

これにより、大東流三大技法の系統間の関係が明確になり、例えば、合気柔術(合気道技法)の細部のチェックのために柔術を参照する、柔術から応用展開し合気之術の稽古に入る(もちろんその逆も)など、より自在な展開が可能となった。

日本伝合気柔術の中核をなすのは、人之巻(合気柔術=江戸柳生系合気柔術)である。合気道技法として知られる技法群の原典であり、その応用動作としてヨガ化技法、変化動作として返技があり、技法展開術理が口伝されている。
ヨガ化技法は、一般通念上の武術とは異なり、呼吸法とストレッチング機能を有した若返り養生法動作であり、日常生活に役立つ教訓が内包されている。
返技は、稽古体系上は戒法(正確な基本技のチェック)であり、実技的には合気道技法試合用の手(御信用之手)にあたる。
これら技法展開術理の修練を通じて、各種術理と教訓(思考法・蜘蛛之巣伝など)を文字どおり体得するのである。この点、技法の見かけ上、大東流諸流派と同じに見えても、内包の術・理は全く異なるのである。

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