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合気評論6

(承前)約3か月で教授代理の資格を得たのは、盛平の技が各別に優れていたからというのではなく、惣角の教授法によるものでした。入門希望者があると、その予算額を聞いて納めた金額の分だけ、1技いくらで教えていたのです。道場を経営するほど経済的に恵まれていなかったこと、昔流の武者修行の精神を引き継ぎ技の研さんをしながら全国に強敵を求めて旅して歩いたのです。

この惣角の教授法については、惣角の死水を取られた山本角義氏から惣角談として聞いた話があります。「いくら丁寧に教えても、気の利いた奴は、合気武道だの、八光流とかいって、金儲けをやるからな」これは、惣角の口癖だったようです。具体的な教授法は、1回技をかけて、1回かけさせて、先に進むというものだったそうです。

奥山龍峰氏は、大東流の代表的な技を選び、八光流護身武道と称して大宮市で教授している。一週間の合宿で、五段免許・師範として指導が出来るというキャッチフレーズで宣伝しております。植芝総本部の師範部長藤平光一氏もこの門をくぐっております。奥山氏の指導方法は、惣角の教授法をそっくり真似したものであす。素人では、さすがに一週間では師範の免許を受けても実際の指導は出来ないが、他の武道を少しこなしていた者であれば、その技を十分に活用出来ます。現に八光流の門をくぐった少林寺拳法(中国本場の少林寺拳法ではない、日本少林寺拳法とでも呼ぶべきもの)の創始者中野道臣は八光流(大東流)の技と空手を組み合わせて正統少林寺拳法として公開している。すでに全国に会員10万人以上に組織したといわれています。(続)

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