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四方投6

大東流技法の構成は、その枠組みを密教の理を用いて組み立てられています。大東流の皆伝9か条の口伝の中に「孔雀明王の咒(じゅ)の伝の事」というのがあり、密教との関連を教えています。これに関する鶴山先生のメモです。なお、先生の説明が密教学的に正しいかどうか、筆者の浅学では判断出来ませんので、そのまま引用します。
 
仏教の経典では、その教えは釈迦が説いたというのが常識である。ところが密教では大日如来の教え(法身説法)になっている。密教でいう大日如来とは、歴史的な実在の人物ではなく「法(宇宙の真理)」を中心に考えられており、宇宙の真理そのものが肉体である仏なのである。このことから大日如来を法身(ほっしん)と呼ぶのである。密教では四種法身の説を採用しており、大東流技法の組立ては、この密教の法身と同じ理で構成されている。すなわち、居捕=自性法身、立合=受容法身、半座半立=変化法身、後捕=等流法身ということである。以下、それぞれを概説する。

1自性(じしょう)法身(居捕)
自性法身とは何かというと、真理そのもののことで、真理を自性した大日如来そのもののことである。
これを居捕で説明すると、合戦実技である立合を室内用に転用したもので、この居捕の技法そのものに平和時の練武法、合戦時の練武法=立合・半座半立・後捕に変化するすべての基礎があるとする考え方である。居捕はすべての技の原典、すなわち、大東流の真理そのものということである。(続)

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