見出し画像

応急処置法8

(承前)同じ病は続くもので、その2日後には、応援団の先頭に立つ旗持ちが筋違えを起こしこごんで入ってきました。彼は団の旗手をやりたくて何年間もしごかれて来た子です。どうしてもお願いします。明日までに治らないと他のやつに旗持ちをとられちゃうから、ということです。重い鉄棒を持たせて、バドミントンの女子選手と同様の治療をしました。皮内針を40本ぐらい入れて終了。その1週間ほど後には、四国の高知から国体出場の選手が飛行機でコーチと一緒にやってきました。
しかし、こんなに簡単に治るんですから、覚えなきゃ損というものです。日常よくある痛みなので。鍼灸師はいろいろな治療を偉そうにやっていますけれど、治し方を教えないだけで、知ればなんということはないのです。教われば小学校の生徒でもできるのですから。ただの権威づけです。髭を生やして、偉そうにしていれば、難しいことをやっていると皆が誤解するだけのことです。外科医の技術とは違って基本は民間療法に毛が生えたものなんですから。(同書190~192頁 引用終り)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?