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日本経済新聞「春秋」に取り上げられた合気道20

これらは、抜力がわかっている指導者からスキンシップで教わらないとわからない感覚なのです。このような指導者なら、見ただけでも力みを指摘できますし、触れれば確実に力みの理由を教えてくれるはずです。多くのヒトは力みを指摘されても自覚もなく意識も出来ないため、最初のうちは理解に苦しみます、筆者もそうでした。ダメ出しをされ、自分なりに調整して臨む、これの繰返しです。稽古の頻度にもよるでしょうが、この感覚を体得するには何年もかかります。そして、段々わかってくるのです。なお、筆者は脱力と抜力を使い分けています。すなわち、

 脱力とは、体から力が抜けて、ぐったりすること
 抜力とは、力を抜くこと、ただし、
      必要な部分を支えるため最小限の筋力を使っている状態

という具合です。一般的には、「抜力」の意味で「脱力」を用いられることが多いと思いますが、正確な説明をしたい(脱力を使うこともあれば、抜力を使う場面もある)という趣旨から、このような使い分けをしています。
 
以上のとおり「相手に神経反射を起こさせない捌き」は最も重要なものですが、逆に「相手に神経反射を起こさせる捌き」もあります。これは、意図的に、自分のコントロール下で神経反射を起こさせるものですから一つの技術です。いわゆる「陽の合気」と呼ばれる技法です。そして、これらを総称して「陰陽虚実法」といいます。

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