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謝礼問題

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謝礼問題とは、植芝盛平と武田惣角のそれぞれの後継者たちの反目の原因となっている金銭問題のことです。盛平は惣角を大本教本部に招聘し初めて江戸柳生系合気柔術の指導を受けました。この時…
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謝礼問題3

謝礼問題3

ところで、青年武芸者であった盛平(当時39歳)を有名にしたのは王仁三郎の指導と後援によるものでした。王仁三郎が武道導入に熱心であったのは、護身術が必要であったという現実的な理由の他に、大本教の信者に対し植芝の武道が大本の神が降臨してもたらされた神秘の武術というコンセプトで、宗教と抱き合わせの普及をもくろんでいたからです。王仁三郎は日本の古い宗教と武道に密接な関係があることを知っていてこれを利用しよ

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謝礼問題2

謝礼問題2

ところが、盛平は武道家としての実力はあったものの、指導者としては教えられる技の数も少なく、生徒もそのほとんどが基礎的な武術の心得もなく、また、中高年も多かったことから、困って王仁三郎と図り惣角を招聘することとしたのです。

綾部での惣角の立場は微妙なものだったようです。信者には盛平の師であることは周知されていたようですが、招聘の本当の目的である「盛平に技をマスターさせるためだけに呼んだ」ことは、信

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