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DX化が進まない背景にあるマインド#40

日本の公的サービスを受けるためには、ほとんどの場合それを必要としている人(または家族)による申請が必要です。日本にはこの申請主義という壁がまだまだある。そのうちの一つが紙ベースの申請ということ。記入済みの申請用紙に添付書類を加えて行政窓口に提出または郵送する必要があります。

私が勤めている福祉施設では、日頃の利用者の記録や会議資料もまだまだ紙ベース。福祉サービスを利用するためには、

①行政への申請
②相談支援事業所に行ってサービスを利用するための計画作成依頼(セルフプランも導入されてきた)
③利用施設での利用契約

などが必要となります。
あらゆる情報を持っておらず、本来すぐにでも支援を必要としている人が多くいます。この行政手続きをこなすことが、支援のニーズがある人への最初の壁となることが多いです。


◯保育園のDX化は進むのか

これは障害福祉施設だけのことではなく、福祉全般(介護・障害・保育)の事業者において同様のことが言えます。コロナによってZOOMなどを使ったWEB会議が一気に浸透し、これまでは会議の会場まで貴重な時間を使って移動していましたがようやく移動時間を削減することができていきました。とはいえ、やっぱり顔と顔を合わせるのが良いよね~という考えは今もあります。私が勤めているところでも、社内会議は結構オフラインにこだわっています。。。

私の娘が通っている保育園では、キッズリーというツールを使って全体連絡やクラスの報告などがあがってきます。ただ、このキッズリーの機能は出欠確認や連絡帳や写真の共有などもっと多くの機能がありますが、全然使いこなせていないようです。連絡帳も手書きで、親も毎日提出するのが負担です。

◯立ちはだかるもの

キッズリーに関しては、来年度からやっと様々な機能を使っていくことになりました。先日、保育園の催事の時に園長から直接話がありましたが、園長がいちばんわかっていないと感じました。現場の保育士から話があっても、何のこっちゃで話にならなかったのも導入が遅れた要因の一つでしょう。
また、保育士も多様な世代の方がいますから、昔から手書き一筋でやってきたから全然困ってないという人がいてもおかしくない。 #老害

若手の保育士も、効率化ツールに長けている人は少ないかもしれません。日々の業務の多忙さ、担当園児の個別支援のあれこれに追われる日々で、新しい知識を得るとか、学ぶこともままならない状況が想像できます。

◯強引にでも変えていくべきだ

とはいえ、そうも言っていられなくなってきた昨今。福祉従事者の賃金が安すぎることや、オツボネ的な立場の人が志をもって入ってきた職員の前に立ちはだかります。「うちのやり方はこうだから」「みんなこうやってるから」といったことはよくよくあります。

保育士人材バンクより

職員は休職や退職に追いやられ、現場は人手不足に金不足。悪循環に陥っています。この現状を変えていくにはいくつか手があると思います。

  • 上司が若手に仕事を振る

  • 効率化ツールを導入

  • やる仕事とやらない仕事を明確にする

今現場にいて感じるのは、管理者にあらゆる仕事と決定権が集中していて、管理者の余白がなくなっていることです。そうなると、若手の教育に目を向けることが難しいのです。さらには、相談するにもしにくい雰囲気が漂うので、若手は自分で問題を抱えざるを得なくなります。

自分で対処する力が備わっていればなんとでもなりますが、なかなか厳しい現状が現場にはあります。

事業は人以上に大きくならないと言われていますので、当面はやる仕事とやらない仕事の区別をしっかりする必要があると思います。これは、組織に限らず個人に対しても言えることです。YESマンになってしまうと、潰れます。自分をまもる方法を身につけることも社会人のスキルとして必要になってきます。

●まとめ

新しい知識を得てもそれを使わなければ意味がありません。今回はデジタルツールを例にあげていますが、これも使ったら負担は減るのだろうか?ということは考えていても使ったことがない人にはわからないものです。
ですが、検討段階から進まないことは往々にしてあります。まずは実行し、その実感を得ることが重要です。

個人レベルでは、自分を守ることや働きやすい環境整備として。組織レベルでは、会社の存続や収益化に向けて効率化ツールの導入や、仕事の区別をしていくことがまずやるべきことですね。
国の仕組みはすぐには変わりません。働きかけは必要ですが、足元の活動をまずは固めていきましょう。

◎追記(2.4)

来年度から次女が保育園に入園します。
入園申請はオンラインですることができました。そして一昨日、結果通知日だったのですが…オンライン申請だったのにもかかわらず、結果を知るためには通知書の到着を待つか役所に電話で問い合わせるの2択でした。

オンライン申請のマイページもしくはメールで知らせてよ…と驚愕しました。
マイナンバーとの連携を進めてマイナポータルで確認できるとよりよいのですが、せめてメールで…と思います。

ひとまず入園が決まったのでほっと一息です。

◎追記②(2/6)

オンライン申請化に向けた動きがありました。
実際に使えるようになるのは2026年度からになりそうですね。
どんどん無駄な紙は減らして、効率化していこう。行政職員をはじめとする事務負担を無くしていこう。


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