モロッコ・マラケシュ 「夜市」の思い出

モロッコ・マラケシュ。
毎日、夜になると、広大なジャマ・エル・フナ広場を無数のケバブ屋台が埋め尽くし、蛇使いや曲芸一座、ミュージシャンたちまでもが繰り出して、連日、未明おそくまで、お祭り騒ぎ。

この街に着いた翌日だったか、我々が、広場の、その巨大なカオスを探検していると、あちこちの屋台の周囲で観光客に向かって様々な言語を駆使して呼び込みをしている、当地の客引きの若者のひとりが、
「HATOYAMA !!」
「HATOYAMA !!」
と、我々に声をかけた。

（鳩山かあ‥‥‥）と、僕は、日本人観光客と見れば「HONDA !!」とか「SUZUKI !!」とか、クルマやバイクのメーカーなのかスポーツ選手なのか、いずれにせよ日本を代表する有名Family-nameを連呼しながら接近してくる、商売っ気たっぷりの客引きも、ついに我が国の首相の名を覚えるほどになったかと、一瞬、感心したのだが、

「HATOYAMA Gekki Cheeing !!」
「HATOYAMA Gekki Cheeing !!」

と、ガッツポーズと親指を立てたグッドポーズで何度も繰り返されると、流石に、はて、この若者は何を言いたいのかと僕は困惑し、彼に返す笑顔も引き攣った。

後で宿へ戻って、PCをWi-Fiに繋ぎ、たまたまニュースサイトを開いてみる。
大見出しに「鳩山首相退陣表明」の文字列。

すると、
（そうだったのか！）
さっきの、客引きの若者の声が脳内でクリアーに再生された。

「鳩山撃沈！！」
「鳩山撃沈！！」

ははは😁
その日本語、
どこで覚えたんだ？