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ふとまに 百十一

#ふとまに  百十一

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*読みくだし

すのゐさ は
きりそめ の き お
なかはしら
かみ は かしき の
ゆう に ゐさめて


*書きくだし

住の諌は
切り初めの木を
中柱
神は赤白黄の
織布に斎さめて

*語意

 住の諌(据の和さ)/すのゐさ:
  生活・暮らしぶり・住居の調和

 切り初めの木/きりそめ の き:
  切り出したばかりの木材

 中柱/なかはしら:
  心柱 大黒柱 統治の中心 中央政府

 神/かみ:
  ここでは『地更(はさら)=土木工事・土地運営』の神 

 赤白黄の織布(畏きの斎ふ)/かしき の ゆう:
  崇敬の念・畏怖の念を捧げること

 織布(布・木綿)/ゆう・ゆふ:
  結う=神と人を結ぶ

 斎さむ/ゐさむ:
  身を清めて謹む 


*意訳

 家を清らかに整える(建設する)には
 切り出したばかりの真新しい材木を
 まず中心の軸としてしっかり据えて
 土地を司る『はさらの神様』に
 赤白黄3色の幣(ぬさ=捧げ物としての布)を捧げ
 身を清め 謹んで崇敬と畏怖の念を以て拝礼するのです


*十楽註

 語意や字義だけを捉えて現代日本語にあらためると、上述のような内容になると思うのですが、そもそも『ふとまに』は、いにしえの時代において、政治的決定や国の将来を予測する場面などで、専ら活用されていたようですから、うたを構成する『ことたま』の数々に触れながら、まさしく直感的=霊的に、その都度・その都度の『神のお諭し』を受けとめ、理解しようとしていたと想われます。

 そのように捉えますと、今回のうたは、次にようにも解釈できるのではないでしょうか。

 ” 調和のとれた国民生活を実現するためには、政府(内閣)の中軸として、つねに清新な逸材を登用させ続ける気構えを、政治家という者どもは有していなければならない。そして、人知を超えた神性に対する崇敬と畏怖の念を忘れず、神人融和、決して人の想いだけで歴史が動くのではないことを肝に命じて、ひとりでも多くの国民が、穏やかで満たされた生活を営めるよう、自らの身を引き締めながら、粉骨砕身、努めなければならない。”

 あまりにも、現代世界の政治なるものが、我欲の赴くまま、卑しく愚かしく腐り尽くしているものですから、つい、飛ばしすぎましたか😅💦


【参考資料】

IMG_5655のコピー