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#ふとまに 八十五

#ふとまに  八十五

*読みくだし

を ぬう なる
みは は もすそ も
ほころひす
つうし よこへ の
いと も かしこし


*書きくだし

皇 縫う(和う)なる
御衣(御機)は裳裾も
綻びず
通糸(通じ)横綜(横侍)の
糸も(甚も)賢し

*語意

皇/を:大君
縫う/ぬう:縫製する
和う/ぬう:治める
御衣/みは:大君のお召し物
御機/みは:大君の政事
裳裾/もすそ:着るものの裾 国の隅々
横侍/よこへ:通じ/つうし(国造)の補佐役。
横綜/よこへ:織機の通糸/つうし(経糸/たて糸)に添えて交差させる部品。
甚も/いとも:とても きわめて


*意訳

【その1】

大君のために縫製した
お召し物は裾も
綻びることもなく
経糸(たて糸)に交差させる横綜の
糸もまた品質が優れている

【その2】

大君がお治めになる
政(まつりごと)は国の隅々まで
綻びることもなく
通じ(国造)やその補佐役(横侍)らの
きわめて優秀なことよ


*十楽註

全編が掛け言葉で構成され、全く二重の解釈が成立する、粋で巧みで知的なうた。

いにしえの表現では、政治行政を『機織り』になぞらえることが多く、通じ(国造)を『機織り』の通糸(経糸/たて糸)に、横侍(国造の補佐役)を『機織り』の横綜(通糸[経糸/たて糸]と交差させる部品)になぞらえ、さらに、締めくくりを「糸も=いとも=甚も賢し」と、まとめ上げる部分は、まことに圧巻の言葉遊びとなっているように思います。


【参考資料】

①ふとまに解読ガイド
https://gejirin.com/futomani.html

②ホツマふとまにカード128
ふとまに百二十八(ももふそや)歌