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更に、お見合いパーティ

「まず生理的にNGなのをなおさないと」
とM社長は言いました。
隣にいたアシスタントも
「そうですよね」
とはげしく同意しています。
「生理的にNGとは、どういうこと?」
と私は尋ねました。
話がお見合いパーティになったときのことです。
M社長はお見合いパーティでご主人を見つけただけでなく、今はブライダルビジネスの一環として、お見合いパーティを主催しています。
そこに来る男性で、どうしても女性をみつけられない人をどうするか、という話になったときのことです。

「えっと、生理的にNGとは、たとえば鼻毛が出ているとか、そういうのですか?」と私は例を出してみました。
「そういうのは、最初から問題外です!」

彼女らのいう、「生理的にNG」とは、そういうものではなかったようです。
まず、髪型がダサイ。
つめの手入れができていない。
着ているものがお洒落でない。
「シャツインもNGです」
と岡田社長は言います。
「シャツイン、どうして駄目なのでしょう?スーツとか着ていると、シャツを入れるのでは?」
と何もわかっていない私です。
「普通、お見合いパーティにはカジュアルな服装で来るじゃないですか。そんなときにシャツイン、NGです!カジュアルが駄目な男性が多いのです」

いろいろインタビューした結果、M社長の言いたいことを要約すると、こうです。

「お見合いパーティは、第一印象が大切。そんなときに不潔なのはまず問題外。次に、女性から好感を持ってもらう工夫を自らしなければならない。そのとき、生理的に女性がNGを出す方向に行ってしまっている男性があまりにも多い。」

「こんな男性を指導して、せめてNGを出されないようにする必要があると思います。そういうセミナーでも開こうかと思っています」
そういうM社長の言葉には、教育者としての使命感さえ漂っていました。

男性は女性を第一印象、すなわち容姿で選んでいます。
実は女性も容姿で選んでいるのではないでしょうか。
鳥のメスが美しい羽や長い尾羽のオスを選ぶように、女性も美しいオスが好きなのです。
着るものや髪型で、それを手に入れられるのなら、セミナーで教育するのも意味があるかもしれません。
遺伝子は直感で遺伝子を選ぶ。
ますます目が離せないお見合いパーティなのでした。

このM社長の一連の発言で、お見合いパーティに一層関心がわいてきました。先日は、社長・アシスタント・私・ある美術館の学芸員さん・大学の先生(講師)でお話をしてるとき、お見合いパーティに話が移りました。
というか、私がいつも話題をそちらに振るのですが。

大学の先生:「お見合いパーティ、私の知り合いなんて機会があれば絶対行くと思うわ。30歳過ぎて、皆大学院卒で、異性と知り合うチャンスはないし、それでいてまだ身分が不安定(非常勤などの仕事しかない)だから、将来の不安があるし....。」

M社長:「すごくいい学歴の人もきますよ。こんな人がなぜ相手がないのか、と思うこともあります。」
独身学芸員:「私も参加していいですか?」
私:「あなたなんてお見合いパーティ、出なくても相手が見つかるでしょう」
社長「いろいろな人と出会えるから、出ればいいですよ。そのときは私たちがヘアメイクですごく可愛くしてあげます。人間なんて見た目が8割なんです。まず最初が大切、性格のよさなんてその後なので、まず、注目してもらうことです。」
人間として考えれば、性格の悪い奴がよい人を押しのけるのは割り切れない気持ちがします。しかし動物として考えれば、これは遺伝子競争なのだから、なんでもありかもしれません。

独身学芸員は、身を乗り出して聞いています。
これも意外なリアクションでした。
この人はこんなことに関心がないと思っていたのに。
遺伝子が競争に参加したがっているのでしょうか?
彼女にどのくらい注目が集まるか、ぜひ私も見届けたいものです。観察も生物学の大切な部分です。

【画像解説】全編に続いての猫画像。アビシニアンの親子です。


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