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お見合いパーティの動物行動学

似内は「お見合いパーティ」に一度も出たことがありません。一度は出ておけばよかったのですが、もう遅いです。
どんなものか知らないまま終わるところを、最近ある筋からその全貌が明らかになったので、公開&分析をいたします。

お見合いパーティの内容
・男性・女性は同数。約20名ずつなどそろえる。
・前もって特定条件の縛りで、人選をしてある。
・男性の持ち時間は1分 。椅子を移動しながら各女性の前で、自己紹介カードを見せながらアピールをする。
・女性は自分のデータを書いたカードを3枚持つ。
・フリートークになったとき、男性は好みの女性にアプローチする。
場合によっては、一人の女性に男性が10名くらい列を作る場合がある。その反面、アプローチの全くない場合もある。
・そのとき、女性がその男性を気に入ればカードを渡す。気に入らなければカードを渡さない。
・男性と女性の好みがマッチするケースもある。その際は拍手で送り出される。
聞き取り調査は以上の通りでした。

この情報を下さった女性は、お見合いパーティでご主人を獲得されたそうです。結婚に至る比率もかなり多いそうで、私の持っていたイメージは大幅に変更されました。
でもこの女性はかなり綺麗な方で、お見合いパーティでなくても男性は獲得できそうなタイプでした。

お見合いパーティ必勝法
一番面白かったのは、「彼女のお見合いパーティ必勝法」です。女性の方は必読です。
その1 パーティ会場には最初から入らない。

一同が着席した頃を狙って最後のぎりぎりに入室し、一気に視線を集める。

その2 フリートークの時間になったら、すぐトイレに隠れる。

自分が目当ての男性は当然探し回ってくれる。フリートークタイムが終わりそうになるぎりぎりに、会場に戻る。男性は一瞬で列を作る。そのインパクトが印象を更に強いものにする。


この女性は現在ある会社の社長さんですが、かなり駆け引きの上手な方とみました。特に2なんで憎いですね。列を作る商品は皆が買ってみたい商品です。この話を聞きながら、「何かに似ている。どこかで聞いた話に....」と思っていて、やっと思いあたりました。

生物行動学、「動物の求愛」です。私は獣医師なので、よく動物にたとえて話をして、相手を怒らせることがあります。
「盲導犬も誉めて育てるのだから、お宅も。」といえば、「人と犬を一緒にしないで下さい!」という風に。
人も動物なんですけどね。


クローズドな環境・同数の男女・限られた時間・オスの自己アピール・メスの受容と拒否 そんなキーワードが浮かびます。

これが動物行動学でなくてなんでしょうか。コンラート・ローレンツの世界です。私が一番気に入ったのは、

女性のカードは3枚

という点なのですが、その意味がおわかりでしょうか?
哺乳類のメスはそうたくさん子供が産めないのです。
少しでも良い条件のオスを探し、子供を作る。まさに遺伝子の競争です。

現場では、20名の男性のうち10名くらいが、特定の2名程度の女性に列を作ることが多いそうです。
更に彼女の話では、女性で全くアプローチがなく、じっと坐っている人もいるとか。そうなると、更にアプローチはなくなるのだそうです。
過酷な自由競争。

しかし、上記の必勝法、容姿も必要ですが、この作戦を考えるのは頭のよさです。頭の良い遺伝子も、こうして選択され、上手に残っていくのですね。

【画像解説】ブリーダーさんで撮影させていただいたアビシニアンの仔猫です。

 

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