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心身のreadinessと丸腰の豊かさ

常にタスクを大量に抱えて本番に追われている生徒さんが、おそらく10年ほどの付き合いのなかで初めて、手ぶら丸腰でレッスンにやってきた。

いろいろな曲をさらった。
根つめて、じっくり向き合った曲。
Live前に最低限、かじった曲。
あの時の自分を、連れてくる曲。
どのテイクもちゃんと彼女の今を表していた。

等身大でいきたいと願っても、常にそれが実現できるとは限らない。

心身のreadinessについて思いを馳せる。
いつでも、今の自分が出すべき声を出す準備が整っているということ。

そんなときは不思議とミスタッチをも愛せてしまう。
本当はどうしたい?と問う必要すらない。

その曲固有のグルーヴや美しさに、私たちはたまたま"生かされて"いる。
構造が再現を支える。流れに身を委ねる覚悟と重心。
肉体は不自由だ。そして美しい。

曲を片手に心身のリミットを軽やかに再発見しよう。

限界から、新しい音が生まれ、
限界こそが、新たな夢をつくる。 

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