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Humble me More -創作の悲哀

曲をつくることは悲しい。

昨今、今年中にまとめたいと願っているアルバムの曲をつくったり、また録音したりしている。

1曲目に入れようとしている曲は、ギターで書いた雨の曲だ。雨がどれだけ、人を(というかわたしを)謙虚にしてくれるか、歌っている。

弾きながら口をついて出た言葉をそのまま歌詞にしたのだが、
いま改めて聴くと、あらゆる後悔が織り込まれている。もっと心地よく、寛容でいられたのに。堂々とできたのに、やさしくできたのに…
だいぶ後悔しているので自分でも驚いてしまった。なるほどわたしは未だに、自分がクソみたいな人間であることが残念で仕方がないのだな、と思い至る。

わたしは今も、内なる裁判官に常に裁かれていて、創作が哀しいのはその時必ず己のコアに降りていくからだ。そこまで降りていき顔を上げると、恐ろしいほどjudgementalな自分と目が合う。自身の不足を、これでもかと思い知らされる。

そうなってくると前半は、どうか謙虚にして下さい、という祈りであるかのようにも感じる。許しを乞うているようにも。

いつ、この牢獄から抜け出して、本当に自由になれるのだろうか。解放されたとき、音楽をつくる必要がなくなるのかも知れない。あるいはそのうち諦念がすべてを覆い尽くしてくれるのかも知れない。
今は創り続けるしか他に道がない。

#エッセイ #音楽家のエッセイ

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