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紙がテーマの書籍3選

電子書籍,スマホやタブレットの普及などにより,どんどん紙の需要が減っています。それでも教育現場では紙が欠かせません。実は教科書は子どもたちが見やすい色,触り心地やめくりやすさや耐久性などを考えて紙を選んでいます。紙一枚に結構たくさんの知恵が含まれています。職業柄たくさんの紙にお世話になって,仕事をしています。そんな紙がテーマの書籍を紹介します。

1,紙つなげ!彼らが本の紙を造っている―再生・日本製紙石巻工場

東日本大震災により,日本製紙の石巻工場は壊滅的な被害を受けました。工場内は海水で満たされ,復旧は不可能と思われていました。しかし,社長は半年で復旧することを宣言。その日から,社員たちの戦いが始まりました。製紙工場の皆さんが「紙を止めるな!」という信念,強い決意や覚悟が文章から伝わります。ここまでして紙を供給されていることに感動するとともに,プロフェッショナルの厳しさと偉大さを感じました。5年生や6年生にも紹介しました。小説ばかり読んでいた私が,「現実は小説より奇なり」と実感した本です。この本を読んで以来,ノンフィクションばかり読んでいます。

2,デジタルで読む脳×紙の本で読む脳

2019年に発表されたOECDの学力調査の結果で,日本の子どもたち(主に高校生)たちはパソコンやタブレットなどに関わる問題の解答率が先進国よりも低かったというが報告されました。そのことが今の「GIGAスクール構想」に繋がっています。しかし,いち早く教科書などの紙媒体を使うのを止め全てデジタルに変えた香港の学校の調査では,デジタルにすることで読解力の低下が見られたのことでした。紙で読む方がなんとなくお話や内容が伝わってくるような気がしませんか?皆さんの中にも,感じたことがある人がいると思います。それはどうしたことなのかこの本が教えてくれます。ちなみに私は縦書きの方が読みやすいです。縦書き横書きも読みやすさを左右しています。

3,一万年の旅路 ネイティヴ・アメリカンの口承史

ネイティヴ・アメリカンの人々は文字を持ちませんし,紙などももちろん存在しません。しかし一万年以上の一族の歴史がきちんと代々受け継がれています。それはなぜか。部族の中で最も記憶力の良い子どもを選び,口承で歴史を繋いでいるのです。古くは中東あたりと思われる場所に実はたくさんの森林があったという話,東南アジアあたりで海に向かう人々と陸を進む人々に別れた話,アラスカのあたりから北アメリカ大陸に上陸した話。いろいろな民族の歴史がネイティヴ・アメリカンの言葉で語られていました。今では当時の言葉を使える人が残り少なくなり,一万年続いた歴史の伝承が途絶えようとしています。是非とも,読んでほしい本です。

3つの本を紹介しました。お時間があれば読んでみてください。全てAmazonで注文可能です。
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