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読書 変な家

 インターネットを中心に活躍されているホラー作家の雨穴さんが書かれた家の間取りに関するホラー作品。2024年3月映画にもなりました。

 筆者の元に持ち込まれた民家の間取り。一見するとごくありふれた民家に見えるが一階のリビングと台所の間に壁に挟まれた謎の空間がある。なんの為に作られたのか得体の知れないこの空間に不気味なものを感じ、購入について迷っているという知人。しかし、むしろこの家の変なところは2階に凝縮されている。まず、2階の中央に位置する子供部屋。周囲を廊下や階段、両親の寝室に囲まれるように位置しており、窓がない。
 子供部屋からしかアクセスできないトイレ。
 浴室とは別に設けられたシャワー室。
 いや、よくこの家の購入を検討しましたね……、と思うほど、そもそも変な家である。題名通り。非常に暮らしにくいのは間違いなく、2階の作りに比べたら、1階の謎スペースなんて微々たるものなのでは? と思っとところからスタートしました。

 物語はまるで対談のような形で筆者と栗原さん(建築士でありオカルトマニア)の会話で進んでいきます。その後も筆者と様々な登場人物との会話で進んでいきます。書店でこの本を手に取って、ぱらっ……とめくった時、
小説では……、ない??、
と思うほど独特の手法で物語は展開していきます。しかし物語がほぼ会話のみで展開していく、この手法にどんどん吸い込まれていく。没入感がすごい。現実の間取りという疑問から、戦時中にまで遡る古い因縁へと物語は展開していき、どっぷりとオカルトに浸かったところで現実に引き戻され、事件は今も続いていることを自覚させられる。怖い。映画館でホラー映画を見ていたら、すぐ隣の席で事件の続きが起きていました、くらい怖い。貞子の呪いのビデオが伝播し、人ごとじゃなくなっていく時の恐怖を思い出される。
うちの親戚大丈夫だよね?という気分にさせられて終わる。
怖い。
怖いのでぜひ読んでほしい


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