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【コロナ禍】立ち会えなかった出産


コロナの感染者数がまた増えてきた。今年の7月に出産し、未知すぎるコロナに怯えた妊婦生活だったが、なんといっても1番不安だったのは、出産を夫に立ち会ってもらえないことだった。

4年前、長女を出産したときは、約30時間の陣痛の中、ずっと夫が寄り添い、励まし、腰を押してくれた。癒着胎盤で産後3リットル出血するという大変な目にあったのだが(話が長くなるので省略)夫と2人で乗り越えた出産だった。
そんな経験があるので、夫がいない出産なんて考えられなかった。

しかし、出産を終えてみての率直な感想。

立ち会わない出産も良い!!

なんと、長女のとき30時間かかった陣痛が、次女のときは5時間で終わった。
もちろん、第一子と第二子では産道の柔らかさが違うので、第二子のほうがすんなり生まれることが多い。

でも私は、こんなに陣痛時間が短くなったのは、他にも理由があると考えている。今回立ち合わなかったことで、本能に任せた気持ちの良いお産ができたのである。

夫が隣にいると、つい、「おしとやかにしなきゃ!」と思ってしまって
(どの口が言うか、と思われそうだけど。てへ)
どんなに痛くても、もう死んじゃうと思っても、歯をくいしばって、飛んでいってしまいそうな私の中の理性を必死に呼び戻して。
「ひ、ひ、ふー!」
と、教わったとおりに、健気に呼吸を整えたりして。そんな気はなくても、つい、我慢しちゃうわけです。

夫どころか誰も隣にいない状況ではですね、もう、やりたい放題できちゃうわけです。
「いたーい!」「死んじゃう!」「無理!できない!」「骨盤くだける!」
思いつくかぎりのマイナスな言葉を、叫び倒し。叫んだおかげで、心だけでなく産道も開放的になり、お産が進んだのかな、と。

そもそも大騒ぎしないと、助産師さん来てくれなかったし。
助産師さんはたまに来て、お尻を押してくださったんだけど(心より感謝)陣痛の波が去ったら、さっさと自分の業務に戻られていた。

出産は歴史を辿ると、本来女性だけで行われるものだったはず。妊婦さんが産気づくと、家族は産婆さんを呼んで、近所の女性たちを集めて、協力しあって出産を支えたらしい。それがパパの立ち会い可になったのは、どういう経緯からなのでしょう。

もちろん、我が子の出産の瞬間を見てほしい気持ちはあった。
一緒に出産を乗り越えたかった。
きっとかけがえのない思い出になるよね。

でも、両方経験してみて分かったのは、どちらにもメリット、デメリットがあること。
コロナのせいで立ち会いできないと思うと、つい「できないんだ」ということ、選べないことに意識がいってしまい、悲観的に考えてしまうもの。
もしこの記事を、立ち会いを禁じられてしまった妊婦さんが見てくれていたら、メリットにも目を向けてほしいと思う。

立ち会うか立ち会わないかは、子供が元気に生まれるかどうかに関係ない。母体の安全も左右しない。
つきっきりで腰を押してもらえなくて、そのぶん痛いけど、痛い方が出産が早く進む傾向にあるらしい。(無痛分娩は時間が少し長めにかかるというデータあり。)夫が横にいなくても、助産師さんという頼もしいプロがサポートしてくれる。
なんといっても、本能に任せて騒ぎ倒すお産は、めっちゃ気持ちいい!!

なぜか静かに産むのがエライとかいう風潮あるけど、その風潮なくそうよ。
痛いときは叫んで、わけわかんないことを口走っていいじゃないか。
あんだけギャーギャー叫びまくっても微笑ましく思ってもらえるのは、分娩中の女性だけではないでしょうか。
(産後、ナースステーションの前を通るたびに思い出してちょっと恥ずかしい気持ちにはなったが、一生入院するわけでもあるまいし。)

今後は欧米のように、日本も無痛(和痛)分娩が主流になっていくと思う。私の産院は計画分娩でしか無痛ができなくて、計画していたより早く陣痛がきたので麻酔を入れてもらえなかったけれど、生まれてみたら無痛にかかる費用の10万円を節約できて、なんだか良い仕事をしたような気分。今回はできなくて結果オーライだったけれど、3人目の出産がもし可能なら、ぜひ無痛も経験してみたい。

全てのお産がドラマありの素晴らしいものだと、私は2人出産しただけでベテランの気分。エラソーに、
立ち会わなくても大丈夫だよって、心配になっている妊婦さんがいたら伝えたい。

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