見出し画像

自己肯定感が低い私の小さな決断が、後の私の行動力になっていた

私の尊敬する素敵な女性3人がモデレーターとして、clubhouseで新しいクラブを立ち上げて第一回のルームを開きました。
そこは、「【副業してみたい】あなたの”売り”を発掘します」という、なんとも魅力的なタイトルのルーム。副業やパラレルワークは人材育成やキャリアを研究してきた私にとっても挑戦してみたいことの一つであったので、早速お邪魔してきました。

ラッキーなことに、たまたま早めにお邪魔したことから、私の”売り”をみんなで見つけて下さることになりました!会話のキャッチボールの中から、リスナー席の人も含めて私にどんな”売り”があるのかを見つけていくという感じです。

私が副業でやりたいことは、女性のキャリア構築のサポートです。まだ具体的ではないのですが、きっかけは前々職の経験であり、その経験を可能にしたのは私の小さな決断があったからだと思います。

小さな決断は、最初はほんの小さなことで分度器の1度くらいのことかもしれないのですが、時間の経過で角度が大きく広がっていくような、自分の人生に大きなインパクトを与えているようだと私は考えました。
その小さな決断が重なっていき、私の中でも変化が生まれ、行動力へと繋がっていったのではないかなと思います。clubhouseのルームでモデレーターの皆さんと話をしながら、小さな決断を含む私の過去の一部について一緒に振り返ってみました。

前々職ではセールスコーディネーターという名のバックサポートとして入社をしたのですが、かなりセールスのようなことも経験させて頂きました。4年経ったところで異動(転勤)の話が出たのですが、私はかなり消極的でした。しかし、周囲からもいくだけいってみたら?と背中を押してもらい、「(転勤先へ)行ってダメだったらすぐに地元に帰ってこよう、一年持てばいいとしよう」というぐらいの気持ちで異動をしました。結果として、地元で働いた期間よりも、転勤先の方が長く働くこととなり、さまざまな経験をさせてもらいました。

その一つとして、7年連続でスイスへ長期出張をさせていただく機会を頂きました。最初の出張の時、残業をしていた私は夜19時過ぎに部長から呼ばれ、急だけど明後日からスイスへ1ヶ月ぐらい行ってもらえないか?と言われました。ほぼ準備は1日しかなく、普段の自己肯定感の低い私なら「他に適材のスタッフへ声をかけてください」「英語もそこまで得意ではないし、現地経験がほとんどない私なんかで大丈夫でしょうか?」「考える時間もないのでちょっと難しいかも」などと言ってオファーを受けなかったと思います。しかし、自分に声をかけてくださったのが尊敬する女性上司だったので、しっかりサポートするからと言われたこともあり、不安がありながらもその場で「私でよければ行きます」と答えていました。その女性上司は、その当時まで日本オフィスで初めての女性部長で、とてもスマートでしなやか、常に寄り添って下さる笑顔の素敵な方でした。その部長のために何か貢献できれば、と思い、出張に行こうと決断をしたのです。
現地オフィスへの出張はそこまで珍しくはなかったのですが、なかなか自分には声がかからず、縁がないと思っていました。しかし、この瞬間に、初めての海外現地オフィスへの出張の機会を獲得できました。ここが、私のターニングポイントだったかもしれません。
女性モデレーターの方も、とても上手に話を引き出してくださり、どんどんこれまでの自分を振り返りながら話を進めていきました。

スイスでの生活は、言語や見える景色、通勤に使う交通機関、業務内容やオフィスの雰囲気など、何もかもがそれまでの日本のものとは全く違って、わからないことがたくさんありました。
また、スイスのチューリヒにある本社では多くの女性がマネージャーとして活躍をしており、中には出産や子育てを経てもマネージャー職を続けていらっしゃる方も多かったです。オフィスはとても雰囲気が良く、日本の男性中心のオフィスとは違う世界を知ることもできました。
全く別で違いが大きすぎる世界・環境で、しかも人間関係も何もまだできていないところで、普段の私なら「できなかったらどうしよう」、「うまくいくはずがない」、「なんで受けてしまったんだろう」とネガティブな気持ちになるのですが、二度とここには戻って来ないかもしれないと思ったこともあって、「上司が私を選んでくれたのだから、自分なりにやってみよう!」と、3日目オフィスに向かうトラムの移動途中で吹っ切れていました。実際に現地での業務は初めてのことばかり、さらに日本とスイスの両サイドのサポートをすることから超多忙で、オフィスではネガティブなことすら考える余裕はなかったのです。とにかく目の前のことをやり切るだけでも精一杯だったのですが、途中からは少しずつ慣れてきたこともあり、周囲のスタッフや日本サイドのためにやってみた方が良いと思うこと、自分がやってみたいことにも挑戦してみました。積極的に業務へ携わっていったことで、現地のたくさんのスタッフや社外でも知り合いや友人もでき、中には今でも繋がっている人も少なくないです。人にも恵まれ、たくさんのサポートをいただいたことで初めてのスイス生活はとても楽しくなり、私はスイスが大好きになりました。

帰国後上司への報告をした際に、来年も機会があったらぜひ行かせて欲しい、と伝えました。自分から自身を売り込むことをしたのもこの時が初めてのことで、「どうなるかわからないけれど伝えるだけ伝えてみよう」と思ったことは覚えています。普段なら「私で良かったのかな」「うまく業務がこなせていたのかな」「どんな評価を現地でされていたんだろう」「何かやらかしたりしていなかったか」「他の人の方が良かったのではないか」などネガティブに考えるところなのですが、この時は私を送り出してくださったことへの感謝と、自分はもっと会社に貢献をしたい、そのためには自分が成長できるもう一つの場所として再びスイスへ行かせてもらいたい、と自分の希望を伝えました。

それ以降、毎年スイスへ2〜3ヶ月行かせて頂けるようになりました。現地の女性マネージャーにも信頼してもらえるようになり、スイス出張が毎年の楽しみとなり、日本で働く時のモチベーションになっていました。
突然の出張を思い切って受けたことは、その後の私の行動力のきっかけになったのではないのかな、とclubhouseで話しながら思いました。

前々職では異動も合わせて12年勤めました。退職して少ししてから私は通信制の大学へ3年次編入をしました。大学4年生ではゼミのクラスも履修しました。元々私は最終学歴が短大卒だったので、大学生らしいことをしたいと思い、ゼミの履修を決めました。ゼミ論文は6ヶ月弱で書き上げるのですが、前々職でのスイス出張の経験から、女性のキャリアについて考えることが自分の興味関心の一つになり、最終的にこれをテーマにしてゼミ論文を書きました。
ゼミ論文を書いたことでやり切った感はあったのですが、ゼミのメンバーの3,4人が大学院への進学を検討していると聞き、私も行ってみようかなぁと考えるようになりました。

資料を取り寄せ、本当にやり切れるか不安ではありましたが、ゼミの教授が背中を押してくださったこともあり、大学院進学を目指そうと決意しました。しかし最初は「まず受からないだろう」、「受かったらどうする?」「2年で修了できなくてもいっか」「やれるところまでやってみて、最悪途中まで頑張ってやめてもいいか」という程度でした。実際に入学をすることになり、2年間のハードな毎日が始まりました。

大学院での研究テーマをはっきりと決めずに入学をしたので、学びながら考えていこうと思っていました。しかし、結局のところ、女性のキャリアを研究テーマとすることにしました。前々職でのスイスのオフィスで、女性マネージャーが多かったこと、日本のオフィスには女性マネージャーがほとんどいなかったことも、自分の中での”もやもや”になっていたことの一つだと気づいたのです。スイスで開かれるダボス会議で、過去に安倍元首相が日本の女性をエンパワーメントする、女性活躍推進を掲げていたことも思い出し、スイスの現状を現地の友人に聞いてみました。

現地への出張中時でも状況を聞いてはいましたが、依然前々職のスイスオフィスは、女性やマイノリティ、国籍などによっては出世が難しいこと、出世をしてもマネージャーレベルにとどまりそれ以上昇進昇格は難しいということ、またこれは他のスイス国内企業も大きくは変わらないということでした。女性のキャリア構築は、日本だけでなく世界の社会課題でもあると改めて感じました。スイスへ出張していた時に緊張しながら女性マネージャーへ話しかけたのですが(これも来年はスイスに来れなくなってこの女性マネージャーに会えないかもしれないと思ったら思い切れて話しかけられた)、今後仕事でどうしていきたいのかと訊ねると「難しいかもしれないけれど、頑張れるところまでやるよ」と話していました。また、今までも上手く行かないことはあったようですが、その時も「そんなことあるよねって感じで思っていた」と言っていました。私みたいに「うまく行かなかったらどうしよう」「まだ足りないことがあるからできるようになったらまた考えよう」など、できないことを考えるネガティブ思想ではなく、現地の女性マネージャーらは現状を受け入れながら別のルートを模索したり、どうしたら壁を乗り越えられるか、あるいは「ダメでもまた挑戦すればいい、ダメならその時」などポジティブ思想でいることに驚きました。
今、その女性マネージャーは別の会社へ転職しさらに活躍をされているとのことです。このことを論文を書きながら思い出し、女性が自身の強みを発揮しワクワクしながら自分らしくイキイキと働くこと、どんなライフイベントと重なっても選択肢があり諦めることがないこと、そのために女性の背中を押したり、寄り添ったり、迷った時に一緒に地図を見ながら目的地を確認するなど、女性をサポートすることが組織の中にも仕組みとして必要であり、また周囲や本人など個人の意識の中にも必要だな考えるようになりました。

なんとか論文を期限ギリギリに提出することができ、口述試験もなんとか終えて大学院修士課程で学位取得が叶いました。
たくさんの方のサポートをいただいて完成した論文ですが、この研究は「私の研究」なんだと、書き終えた今、思えることがとても嬉しく思います。

clubhouseのルームをきっかけに久しぶりに思い出した自分のストーリでしたが、自己肯定感が低い私が小さな決断を繰り返し、それが後に大きく影響して今の私があるのだなと実感しました。そしてたくさんの方から、私の”売り”の一つとして「行動力」をあげて頂きました。自分では少し意外に思いましたが、不安でも最初の一歩を踏み出したことで、視界が広がったり新しいドアがどんどん開いていきました。そこからたくさんの経験ができ、素晴らしい出会いに恵まれました。私のやりたいことの一つになっている女性のサポートは、最初に一歩踏み出そうとした小さな決断から生まれた「行動力」だったのだと気づかせて頂きました。
モデレータの素敵な3名の女性、リスナー席から私の”売り”を見つけてくださった素敵なみなさま、本当にありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?