かんたんな騒音のはなし
はじめに
はじめまして、こんにちは!
ジャストの調査診断部の伊藤と申します。
化学のことも困ったらジャストへ!!
ジャストでは2022年10月から新たに「環境分野」への取り組みをはじめました。 「環境」というと脱炭素をイメージする人が多いと思いますが、ジャストにおける「環境分野」とは環境調査、環境計量などを指します。
そこでより多くの方へ「環境」の事を知っていただくために「環境と化学」というテーマに当ブログで環境に関する情報を紹介していこうと思います。
今回は【かんたんな騒音のはなし】と題して、トラブルに繋がることが多い「騒音」について話をします。
騒音とは
騒音は「ある目的にとって不必要な音」とあるように、音の大きさだけで表現し、解決できる問題ではありません。
例えばオートバイについて、ロードレース観戦している人にとっては心地よいエンジンの「音」に聞こえると思いますが、同じエンジンの音でも住宅街においては「騒音」として聞こえてしまうことがあります。
公害とは
公害としての騒音
騒音は環境基本法により公害の一つとして定義されていて、常に公害苦情受付件数の上位に位置しています。
例えば、コロナ禍の影響から在宅時間が増え、今までは気にならなかった「音」が、生活の中で不必要と感じる場面が増えることにより「騒音」として認識されてしまう事もあるなど、日常生活と密接的な関係があります。
音とは
音の発生は、物体の振動によるものと、空気の乱れなどによるものがあります。また、音とは空気などを伝わる圧力の変動となります。
音の単位
音の高低を表す単位はヘルツ(Hz)といい、一秒間に繰り返す波の数を表します。数字が大きいほど高い音となり、小さいほど低い音となります。例えば、ピアノの鍵盤の中央のド(ド4)は261.626Hzとなります。
また音の大きさは音圧レベルとして表現され、単位はデシベル(dB)と言います。
音を計測したい
音を計測する装置を騒音計と呼びます。主な構成は図の様にマイクロホン、プリアンプと本体部となります。
音は反響する性質があるので、壁や床から離れた場所で計測します。手に持って計測する場合は、なるべく体から離して計測します。机などに置いた状態では正しい計測が出来ません。
環境基準とは
騒音の基準値について
騒音については地域・時間帯毎に「環境基準」が定められています。
分析はJIS(日本産業規格)Z 8731に定められた手法に従い実施し、等価騒音レベル(変動する騒音のレベルのエネルギー的な平均値)で評価します。
例えば、2車線以上の道路に面さない住宅地では、昼間(午前6時~午後10時)において、55dB以下と定められいます。55dBとは通常の会話レベルの騒音とされています。
東京都などでは建設工事に係る騒音規制が定められています。
特定・指定建設作業に係る基準として、例えばくい打機による、くい打設作業では85dBが基準値として定められいます。85dBとは走行中の電車内など、かなり大きな声での会話が必要なレベルとなります。
低周波音
低周波というと、低周波治療器を思い浮かべる人が少なくないと思います。
音における低周波とは100Hz以下の音を指します。人間の聴き取れる音は、おおよそ20Hz~20,000Hz と言われており、20Hz 以下を超低周波音、100Hz 以下を低周波音と呼びます。人の耳は2,000~5,000Hz付近が最も感度が良いと言われ、低周波音域ではより大きな音がしないと人は感じることができません。また、年齢と共に高周波が聞こえ難くなると言われています。
身近にある低周波音
低周波は身近な所にも存在します。機械プレス、送風機、空調室外機、船舶、列車、風力発電などから発生し、不快感・圧迫感など人への影響、窓の揺れなど建具への影響などがあります。
特にヒートポンプによる低周波音はトラブルの原因になる事があります。人によって感じ方は異なりますが、不眠症などの健康障害をもたらす場合があります。
ジャストの取組
ジャストでは音響カメラ(サウンドカム)を用いた音源探査を行っています。音が発した位置に対しカラーマッピングすることにより、音源の可視化が出来ます。
おわりに
今回はジャストの新たな取り組みの中から、トラブル事象が多い「騒音」について紹介しました。
これ以外にも「環境分野」のメニューは多岐にわたって存在しますので、新たなメニューの紹介も予定していますので、次回以降もお楽しみに!
お困り事などありましたら気軽に問い合わせください。
週に1回、ジャストの部活動でボクシングに励んでいる伊藤(右側)でした。
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