先延ばしや仕事の漏れを防ぐ「フラクタル仕事術」の進め方(保存版)

私は仕事の出来ない人間です!仕事ができないからこそ、行き着いた一つの仕事術、それが「フラクタル仕事術」です。

フラクタル仕事術で実現できること

* 「重要だが緊急でない仕事」を先延ばしせずに着手できるようになる
* 「仕事の遅れ/漏れ」がなくなる
* 「仕事の時間の見積もり」ができるようになる
* 「頭がよくなる」(らしい)

フラクタルとは?

私が勝手に「フラクタル仕事術」と名付けたのですが、まず「フラクタル」という考え方を紹介します。

フラクタルは、下の画像のイメージです。ある模様の一部分を拡大してみると、元の画像の模様と同じ模様になっているような図形のことをいいます。中学の数学で習った「相似」でならったような「形は同じだけど、大きさが違う図形」と思っていただければよいかと思います。

<参考>(話の本筋ではないです)
株などをやってる方だと「相場はフラクタルだ!」とかいう話を聞いたことがあるかもしれません。1日(24時間)の中で起こっている価格の変化と、1時間(60分)の中で起こっている価格の変化は、似た形をしている、という考え方です。実際、株や通貨のチャートを見ると、そうなっていることが多いです!不思議!

フラクタルな物事というのは、自然界にも色々とあって、例えば、「雪の結晶」とか「雲」などがフラクタルな形をしていたりします。気になる方は、「チャート分析 フラクタル」「雪の結晶 フラクタル」などで検索してみてください。

仕事において「フラクタル」とは?

さてここからが本題です。

もしあなたが、突然「今から15分後に会議があるから、15分でできる範囲で会議資料を作って!」、と上司から無茶振りされた場合、おそらく、議題やテーマをザーッと箇条書きでまとめると思います。

あるいは、「3日後に大事な会議があるからその資料を用意しておいて」と言われたら、人によっては1時間以上かけてパワーポイントでしっかりとした資料を用意するかもしれません。

もしくは、仕事中、突然上司から内線がかかってきて「今から会議に参加して案件のポイントを1分で説明してくれ!」と無茶振りされたら、瞬時に頭の中で話を組み立てて、口頭で説明をすると思います。

上記の3パターンは、すべて「会議の準備」という仕事をしてますが、仕事にかけた時間がそれぞれ違います。ここで、①1分でやった仕事、②15分でやった仕事、③1時間かけてやった仕事の3つの違いを考えます。

アウトプットを比較すると、①は口頭で説明しただけ、②が箇条書きだけ、③はパワーポイントの資料、という大きな違いがあります。内容も、①だと少し抜け漏れがあるかもしれません。一方、じっくり時間をかけた③だと完璧にポイントを抑えられてるかもしれません。しかし、実際のところ、①でも会議は進んで、最終的には同じ結果になる可能性が高い、というのが私の考えです。

ほとんどの仕事は2:8の法則が作用する

20%の時間で、仕事の80%が完了して、100%の仕事に仕上げるのに、残り80%の時間がかかる、と言われることがあります。(パレートの法則と呼ばれます)直感的には極端な気もしますが、先程の会議準備の例だと、実際そのような具合で仕事が進んでいるような気がしませんか?

上の例で、1分で考えた内容と1時間かけた資料の「内容だけ」を純粋に比較すると、実際ほとんど内容が同じになるような気がしませんか?このように、仕事というのは実に「フラクタル」な構造をしているな、と思うわけです。

昔、トップ営業マンの先輩が言ってたことで印象に残っていることがあります。その方は、「5分、完全に集中した状態で考えて分からなかったら、それ以上考えても、どうせ答えが出ないから自分で考えるのは諦めて誰かに相談する」というルールで仕事をしている、と言っていました。逆にいえば、5分でイメージできれば、後は手を動かして進めるだけ、ということです。仕事はパレートの法則が作用する、という最たる例かな、と思います。

このパレートの法則(2:8の法則)を利用するのが「フラクタル仕事術」です。

フラクタル仕事術の進め方

仕事を次の3つの時間軸で区切ります。

① 1分のメモ書き
② 10~15分でできる範囲ですすめる
③ 25分でできる範囲ですすめる

以下、順に説明します。

① 1分のメモ書き

これは、赤羽雄二さんという方が書いている「ゼロ秒思考」という本にインスパイアされました。

1分で書ける範囲で箇条書きのメモを書きます。実際やってみると、慣れないとほとんど書けません。でも、1分で書けるだけ書く、という手軽さが素晴らしいのです。私の場合、朝起きたら、その後10分間(1分×10枚)のメモ書きをします。

大事なのは、メモ書きのテーマの選定です。ゼロ秒思考の本では「頭に思いついたこと」をテーマにせよ、とありますが、今回の目的は「仕事をすすめる」なので、テーマは、自分のTODOリストから持ってきます。

ルールは単純で、タスクリストの上から順に10個です。「何を考えよっかな~」ということは考えません。強制的に「未完の仕事を上から10個」、それだけです。もちろん、どうしても考えたい内容があればそれを追加してもよいですが、基本的に「テーマを考える時間」は持たないようにします。

もちろん、1分メモだけでは仕事は完了しません。それでも1分考えると、「この仕事では、こんなこと考えないといけないな」という仕事の要点が明確になります。1分メモ書きでは、「仕事の要点をイメージする」だけで十分です。

② 10分でできる範囲ですすめる

メモ書きの後、そのまま次のステップに進みます。1分メモ書きをした内容を順番に10分に拡大して取り組んでいきます。10分くらいあると案外仕事が進みます。メールを書くくらいなら10分で終わります。例えば、「昨日の経費をメモする」なら5分もかからないかもしれません。

例えば「新商品の企画書を作る」くらいヘビーな仕事だと10分では終わりませんが、10分考えれば「あのお店の商品が参考になりそうだから、今日の帰り途中に寄って帰ろう」という結論なら出せるかもしれません。あるいは、10分×1日だけでは終わらなくても、10分を2,3日続けると終わる内容も多いです。

私の場合、10分を基本単位にして、「もうちょっとで終わるのに!」という時は5分延長することができるようにしています。合計15分で終わらなければ持ち越しです。

10分で爆速ですすめるために重要なのは、直前に①のゼロ秒思考をやっておくことです。逆にいえば、ゼロ秒思考の段階で「次の10分でできること」をイメージしながらメモ書きを進めておく、ということも大事になってきます。

10分だけでも手をつける、という威力は絶大です。例えば、あるお客様から「○○についてまとめておいて」と言われた仕事があった場合、10分で箇条書きでザーッとポイントをまとめれば、仕事を誰かに振るところまでなら進められそうです。あるいは、新事業の企画を10分を真剣に考えると、たとえ、その時間に終わらなくても、頭の中に強烈に印象に残って、ふとした時(私の場合、シャワーを浴びてる時や寝起き)に突然、解決策が思い浮かんだりします。

これはある脳についての本(タイトルを忘れました。。)に書いてあったのですが、「仕事が未完の状態」だと、その後も脳はある程度、考え続けてくれるそうです。小さい単位の仕事を終らせる、あるいは、脳にスイッチを入れる、それが10分単位の仕事です。

また、毎日や毎週の10分、が強烈に効いてくる種類の仕事というのもあります。例えば、私の場合「経費をメモする」とか「売上数字のチェック」とか「タスクリストの整理」とか「デスクの整理」などです。こういうのは、2~3日に1回ずつ、コツコツやることに意味があります。

例えば、3月に確定申告をする、という仕事をやるとします。3月上旬に1年分、思い出しながらやる、という仕事をイメージしてください。気が重くて仕方ない、と思いませんか?あなたが仮に株式投資をしているなら、10ヶ月前に利益確定したあの銘柄の情報ってどこにあるっけ?とか、「そういえば、夏頃に使ったあの費用は経費計上できるなと思ってたんだけど、領収書どこにあるんだっけ?」とか、考えるだけで嫌になりそうです。

昨日のことを思い出す作業と半年前のことを思い出す作業は、アウトプットは全く同じでも、「今」やる場合と、半年後にやる場合で、思考のコストが大きく変わってきます。仕事には「旬」があって、旬(=多くの場合は「直後」)にやると効率が大幅UPします。

この1分メモと、10分単位の仕事の流れを連続して行うことが、フラクタル仕事術のコア部分です。

私は、毎朝、5時頃からゼロ秒思考(10分)の次に、10分仕事×6~7個 をやって約1時間半、ざーっと仕事を進めます。

この朝の時間の使い方によって、幅広い種類の仕事を同時に進めることができるようになります。そして、業務時間は③の方法で仕事をどんどん「完了」させにいく段階に移ります。

③ 25分でできる範囲で仕事をすすめる

次に25分単位の仕事です。何故25分かというと、ポモドーロ・テクニックという考え方を参考にしています。「人間の集中力が続くのは25分が限界」という考えです。私の場合、1時間くらいなら集中できるつもりでいるのですが、1時間以上の単位になってくると、その仕事の時間の見積もりが難しくなってきます。なので、「見積もりが容易な25分」を一つの単位にしています。

ポモドーロ・テクニックについて詳しく知りたい方はこちら。

ここでポイントになるのが、「25分でどこまでできるか?」というイメージを持てるか?です。その際に役立つのが10分で仕事に手をつけておくことです。

10分だとここまで出来たから、25分だとこの程度、ということがイメージできると、ある仕事にかかる時間の見積もりが上手になります。実際は、大きな仕事を25分くらいの単位に区切って、10回やって250分かけて終わらせる、(途中、休憩なしでノンストップでいっちゃう)みたいなこともありますが、なるべく意識的に25分毎に区切って、少し休憩を挟むことで疲労を残さないようにできるのが理想です。仕事は短距離走ではなく、長距離走なので、疲労を残さないことも大事です!

フラクタル仕事術のメリット

この仕事の進め方で大事なのは、毎日、未完了の仕事に1分でも、10分でもいいから手をつけておくことです。1分なら「まだまだ先だからいっか」「この仕事のこと考えたくなーい」といった先延ばししてしまいそうな内容も、気兼ねなく、ほんのちょっとずつ前にすすめることができます。

例えば、年末恒例のキャンペーンが終わったときのことを考えます。12月末頃とします。仕事納めが近く、色々と追われている中で、「来年の同時期のキャンペーンを考える」という仕事は後回しにされがちです。しかし、1分だけ考えてメモをとっておく、とか、10分で申し送りメモを作っておく、という仕事をしておくと、フレッシュな記憶で来年の企画ができます。

もしかすると、その10分の仕事で、翌年キャンペーンの企画部分については、8割型の仕事が終わっているかもしれません。逆に、10ヶ月放置して、翌年10月から企画を考えだした場合は、「去年の反省を思い出す作業」から始まるので、頭も使うし、資料を探す時間もかかりそうです。仕事には「旬」があるので、1分の濃度も「今」と「10ヶ月後」では変わってきます。あるいは、10月から考えだしたのでは、9月の内から準備が必要な企画は実現できません。つまり、時間が先になるだけで、仕事の選択肢すら狭めているかもしれません。

こうやって、「重要だけど先々の予定」を「ちょっとずつ」「テンポよく」こなしていくことが「フラクタル仕事術」です。1分で完結させようと思ったら1分で完結させられるし、10分なら10分なりの、25分なら25分なりの仕事ができます。「まだまだ先だから」とか「気がのらないから」とか「別件が差し迫って忙しいから」みたいに先延ばしの理由を考えるのではなく、タスクリストの上から、1分だけ、10分だけ、手をつけましょうよ、ということです。それで長期的な仕事のクオリティが大きく変わります。

ちなみに、冒頭で、メリットとして「頭がよくなるらしい」と書いたのは、ゼロ秒思考の赤羽さんが本で書いていることなので、その真偽はわかりません。。頭、よくなるといいですが、それはあくまで副次効果で本質は仕事をペースよく進めていくことです!

この仕事術が効果的な職種

基本的には企画・営業・事務系の仕事で効果的かな、と思います。もしかすると、開発系の方にもよいかもしれません。一方で、現場仕事(美容師さんとか?)では使いにくいかもしれません。

一緒にがんばりませんか

この仕事術ができるようになれば、すごく幅広い仕事ができる人間になれます。会社で複数の事業を担当しながら、副業でも成果を出しつつ、家族や友人と遊びにいく予定もバッチリたてる、みたいな状態になれるはずです。(すみません、私もまだ道半ばですが、手応えを掴みつつあります)

これは楽して大きな成果を上げる、ための仕事術ではあるものの、習慣化するまで大変です。2~3ヶ月ほど継続できれば、その頃には自分用にしっくりくる方法に落ち着いて完全に習慣化できる状態になるはずです。はじめの3ヶ月、これが超大事です。

そこでアプリの「みんチャレ」にて部屋を作りました。「フラクタル仕事術!ゼロ秒思考」という部屋です。ゼロ秒思考というのは、ゼロ秒思考系の部屋が人気なので、検索にひっかかりそうだから入れてみました笑

多分、こんな部屋に入ってくる人はなかなかいないので、私一人で頑張っていると思います。ぜひ、一緒にがんばりましょう!私は平日毎朝、投稿するのが目標です!

みんチャレの部屋へのリンク
(みんチャレがインストールされたスマホからアクセスできます)

https://support.minchalle.com/support/team_invitation?code=522252994253

みんチャレでは、さすがに仕事内容を公開するわけにはいかないので、朝のゼロ秒メモと10分仕事がいくつか終わった時点で「XX日 DONE!」と書いて投稿することにしました。

私も自分で実践しながら、形を変えていくかもしれませんが、なるべく馴染む習慣になるように作り上げていく所存です!


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