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ジュウ・ショのサブカルアニメマガジン

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アニメについてサブカルチャー的な視点から紹介・解説。 学術書とか解説本みたいに小難しくなく、極めてやさしく、おもしろく、深ーく書きまーす。
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2021年3月の記事一覧

【ザ・今さら】「えんとつ町のプペル」について思ったことをそのまま書いてみる

ちょっと前に読者の方から、メールで質問をいただきました。いつも読んでくださって、ありがとうございます。しかしメール質問への回答へのメール質問とはおもしろい。 おでこの冷汗を拭いながら震える指で書きますが、私は「えんとつ町のプペル」を観ていません。でも岡田斗司夫さんの動画は見ました。正直いうとけっこう共感して「あー、それそれ」と思った。 要するに彼はプペルを見ない理由について、以下の3点を挙げている。うん。分かるぞ。非常に分かる。 ・感動ポルノだから ・二次創作がない(心

「うる星やつらが萌えの元祖」といわれる理由を語らせてくれ

「高橋留美子の『うる星やつら』が、萌えの元祖らしい」と聞いたとき、正直ピンとこなかった。「うる星やつら」の発表は1978〜1987年。しかしそれ以前にもいわゆる「萌えキャラ」は生まれている。 例えば日本初の少女マンガ・リボンの騎士は1953年に出ている。主人公のサファイアは両性具有であるがゆえに、かなりツンデレ。しかも女性兵士というコスプレ感も、今の萌えに近い。 セクシー系ドタバタコメディでは、1968年の永井豪「ハレンチ学園」がすでに存在し、PTAのおばさま方をめちゃめ

メンヘラ女がマイメロ好きになる理由|アニメとTweetでマイメロ論の答えを出してみた

「私はマイメロだよ〜☆ 難しいことはよくわかんないしイチゴ食べたいでーす」 Quick Japanの2017年6月号に掲載された宇垣美里のエッセイ「マイメロ論」のパワーフレーズである。すごくいい言葉だ。最高。 そしてこのころから「マイメロ好き=メンヘラ」の法則という新しいステレオタイプが生まれた。つまり「マイメロ好き=宇垣美里=メンヘラ」という数式となる。彼女は辛いときに病まないための処世術を書いたのに、逆に「メンヘラ」という刻印を押されることになったわけだ。変な話である

エヴァンゲリオンが流行った理由とは|時代性・革新性・キャラ設定などから徹底分析

「『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の初日興行収入8億らしいぞ」と聞いたとき、正直「え?」とびっくりした。感動すら覚えた。コロナ下の月曜だったのに……まだこんなに愛されているのがすごいと心底尊敬したわけです。 前作から9年ぶりということもあるが、まだまだ日本でのエヴァ人気は高い。もはやオタクとかサブカルとか、そんな話ではなく、立派なメインストリームだ。アニメ放送が1995年、社会現象化したのが1997年。新劇場版までの間が10年間あったにしても、もう25年くらいずっと愛

日本アニメ史を全まとめ|1917年〜2000年までの流れを代表作で振り返る

皆さんはいつからアニメを観はじめただろう。またテレビでどのアニメを観て育っただろうか。こんな質問が当たり前にできるくらい、日本では「アニメ」という文化が育ってきたんですよね。 「今や日本のアニメは世界のものだ」。アメリカ人がワンピースのアニメを観て「オゥ…ノゥノゥノゥ! オォ……オーマイガァ……ッ」と頭を抱える様子を観たりするとそう思います。 もともとディズニーに憧れて生まれた日本のアニメを、今やアメリカ人が夢中になって観ている。すごいことだな、としみじみ嬉しくなっちゃい

サブカルとアングラの違いとは|ヤバい世界について本気で考えてみる

「アングラとサブカルの違い」は一般のメインカルチャーで生きている人には理解し難いものがある。「いやいや、どっちも絡みにくいでしょ」とまとめてしまいがちだ。 しかし気をつけてほしい。アングラ畑で"毒"を撒布している人と、サブカル畑で"無駄"を耕している人は違う生き物だ。当人からすると「一緒にしないでくれ」と思っているパターンは結構ある。 アングラの人に「お前、ほんっとにサブカルだな」と安易に声をかけるのはマズい。「ちげぇよ。俺はアングラだよ」と血走った眼で返されるだろう。な

今敏について|46年の生涯、パプリカ・パーフェクトブルーなどの作品解説

今敏(こん さとし)の作品は、アニメ史のなかでも明らかに異質なものだ。ジャパニメーションブームが去った後に颯爽と現れて、海外に日本アニメの価値を再認識させたのは、今敏の功績が大きいでしょう。 このメディアでも何度か記事を書いてきました。 そんな今敏の作品には、いまだに熱狂的なファンが多いんです。サブカルオタクのなかで勝手に神格化され、崇め奉られているんですね。「パプリカしか観ていない」けど「今敏はすごい」と言いたくなるサブカル諸君もいるだろう。アレは「NEVER MIND