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ジュウ・ショのサブカル美術マガジン

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美術についてサブカルチャー的な視点から紹介・解説。 学術書とか解説本みたいに小難しくなく、 極めてやさしく、おもしろく、深ーく書きまーす。
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2020年12月の記事一覧

月岡芳年というヤバい浮世絵師について

昨晩、最近仲良くなった友人と電話で「手足口病を手足口病と名付けた医師は絶対部屋が汚い」という妄想話をした。いやもう発想が、がさつじゃないかと。 そこから「新潟水俣病」と名付け親は腰が低い」とか「イタイイタイ病の名付け親は友だち少ない」とか公害系の疾患に派生していき、急に友人が「下痢はすごい。オノマトペじゃないのに。下痢はげりだもん」とやけに興奮した口調で唱え出したから、ノーベル文学賞をおずおずと譲らざるを得なかった。すると立て続けに「屁は? へ。すごく控えめで日本的だよ。へ

画家のヒエロニムス・ボスは人類唯一のタイムリーパーである

ヒエロニムス・ボスの逸話を読むと「さすがに嘘でしょ!」と思う。ヒエロニムス・ボスの絵を観ると「は?令和の画家か?」と思う。ボスはマジで嘘みたいな画家だ。美術史界のミステリーだ。 西洋美術史を知るほど、なぜあの時代にこんな幻想絵画が生まれたのかが不思議でならない。「江戸の春画にMacBookがある」みたいな奇妙さ。 今回はヒエロニムス・ボスについて、なぜ生まれたのかをみんなで考えたい。 ヒエロニムス・ボスの作品はもうあべこべでめちゃくちゃで最高なんですとりあえずいったんヒ

印象派とは? 風景画の歴史を変えた運動・代表的な画家たちを簡単に解説!

「印象派」というとマネ、モネ、ルノアールなどなどの儚げで繊細な水彩画が特徴だ。その画風から印象派には勝手に柔和なイメージがついて回る。 印象派はこう……「日曜の午前中、揺れるカーテンの隙間から差す朝日、淡色のティーカップとスプーンが擦れる音」みたいなね。どこか可憐で優雅かつロココのようにケバケバしくない。そんな攻守最強感があってセンスいいよね。 いやしかし歴史的に印象派を見てみよう。メンタルはパンク全開で、もうほぼブルーハーツだぞ、と。カウンターカルチャーだったのは事実だ