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ジュウ・ショのサブカル美術マガジン

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美術についてサブカルチャー的な視点から紹介・解説。 学術書とか解説本みたいに小難しくなく、 極めてやさしく、おもしろく、深ーく書きまーす。
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2018年11月の記事一覧

ウィスット・ポンニミット(タムくん)展「Smile」 A/D六本木ヒルズギャラリー

タイの漫画家・ウィスット・ポンニミット。通称「タムくん」。彼の作品は海みたいだ。とても寛大で自然体。そしてやわらかい。どんな船もどんな人もゆるしてくれるし、風が吹いたら波になる。おなかのなかではいろんないきものを飼っていて、それもまた人のためにあたえてくれる。ただひとつ違うとすれば、彼は暴力的な津波や高波にはならない。いつも穏やかに、やすらかな答えを教えてくれる。 タムくんをはじめて観たのは2014年の6月だ。福岡の「circle」という音楽フェスで、クラムボンというバ

六本木ヒルズ 森美術館で開催された「カタストロフと美術のちから展」のレポート

近々、日本は天災大国だとあらためて思う。 地震や台風、豪雨などは年々顕著になり、その度に幾人がいのちを落とす。しかし「誰が悪い」なんて議論はできない。殺人や交通事故と違って、そこに一切の悪意が働かない。それぞれの遺族は、きっと悲しみのやり場に困ってしまうだろう。それが天災である。たまたま日本に生まれて、たまたま宮城や熊本に生まれて、たまたま地震があった。たまたま古い家に住んでいて、たまたま倒壊し、下敷きになってしまった。 美術のちからはカタストロフを包めるのか現在、六本

シュルレアリスムとは? 中学生向けにわかりやすくご紹介

「シュールやなぁ」ってよく友だちなんかと話すことがあるよね。テレビでユニークな芸人を見て、シュールやなぁって。よゐことかさまぁ〜ず、板尾創路、野性爆弾なんかは、よくシュール組に分類されてる気がすんなぁ。 ところで「シュール」ってなんだろう。どういった状況を指す言葉なんだろう。ここらで一度、我にかえってほしい。意味もわからないままカタカナを使うのは、死にかけのITコンサルタントだけでいい。ほら、ちょっとうさんくせえので、ここで一度「シュール」について知ってみようじゃありません