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ジュウ・ショのサブカルマンガマガジン

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マンガについてサブカルチャー的な視点から紹介・解説。 学術書とか解説本みたいに小難しくなく、 極めてやさしく、おもしろく、深ーく書きまーす。
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2020年11月の記事一覧

最終兵器彼女を駅構内で見つけたら速やかにJRに通報してくれという話【ネタバレあり】

稀代の名作ですよ。いやもう降参しました。もうこれ即効性の毒でしょ。逆コンタックでしょ。食後に死ぬでしょ。ちょっと今回は「最終兵器彼女という名の最終兵器」について書きます。 「最終兵器彼女」という危険すぎる6文字熟語 悲劇の始まりでいうと、なんの気なしにブックオフに入ったことだった。全巻セットで1,300円(税抜き)よ。「やっす」と思って、マジでフランクに買った。この時点ではね、もう頭空っぽなのよ。なーんも考えてない。懐かしい〜!みたいな感じ。 前提としてね。去年か一昨年

植田りょうたろうの「はなちゃんと、世界のかたち」という大傑作について

知り合いの編集者さんから紹介してもらって「はなちゃんと、世界のかたち」を読んだ。息が浅くなるくらい没入した。 今作は登場人物が固定の短編集である。ちびまる子ちゃんとかこち亀を想像すると、分かりやすいでしょう。主人公の活発で好奇心旺盛な はなちゃん が小学生のころにさまざまなものに触れて成長していく様を描いている。 あ〜小学生のころってこんなんだったなぁ 「雨の日に長靴に雨水をいっぱいに入れて走ると楽しい」という台詞から始まる。やっていたよ。ずっぽずっぽと音がするのよね。

澁澤龍彦×近藤ようこ! 「高丘親王航海記」のコミカライズがあまりにゴールデンタッグ過ぎる

澁澤龍彦の「高丘親王航海記」といえば澁澤龍彦が最後に書いた小説だ。ちなみにその後に未完の「都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト」を書いたが、これはエッセイなので最後の創作は「高丘親王航海記」となっている。 今回は高丘親王航海記のコミカライズ版を読んだということで、もう記事を書かざるを得ない。しかもマンガは「五色の舟」や「夢十夜」のコミカライズも手掛けたガロ3人娘の1人・近藤ようこさんが手掛けていらっしゃる。これが2巻現在、ものすごくよかった、ということで書きます。 「夢文学」の