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そのマネージャーがポンコツなのは本当にその人のせい?

今日、久しぶりに上司に会ったのだけど、その時に「優秀なプレイヤーがいたが、その下に部下を付けた途端にパフォーマンス※が大幅に低下した」という話をしてくれた。以下、このプレイヤーが部下育成を担ったという前提で話を進める。
※ここでいうパフォーマンスは売上を指します

こういう話、延べ少なくとも50回以上は聞いていると思うのだけど、個人的に結論が出ていて「突然マネージャーにさせられて、プレイヤーとしての数字を追いながらも部下育成頼まれたら、サポートなしでは厳しい」のは仕方がない。昔は係長補佐など一部のマネジメント業務を上司から任され、プレイヤーからマネージャーになるにつれて会社が橋渡し的なポジションを設けていたが、ティール組織だのフラット組織だの言ってるうちに、そういう橋渡しポジションはなくなってしまった。以前も以下のnoteで述べたが、マネージャーの40%が最初の18か月以内に何らかの失敗をするので、そういう失敗をある程度許容し、リカバリーできる仕組がないと非常に難しいところがある。

マネージャーの突然化は、マネージャーに必要な知識やスキルもないまま、社員を荒野に放り投げるのと似ている。特にプレイングマネージャーにおいては以前と同じかもしくはそれ以上のパフォーマンスと部下育成の期待がかけられるが、それ以前にマネージャーに必要なスキルの学習機会があったのかというと、大体がない。なので、こういう「優秀なプレイヤーだったけど、マネージャーに昇格させた途端、うーん…」という話は、マネージャーになったその人の素質やスキル、姿勢などもあったとしても、会社として仕組もサポートもないまま、何勝手に期待してんだよ…と言いたくなる部分がある。

Span Of Controlと言って、人が管理できる人数には限界があり、大体は頑張って5-6人と言われる。ただ、最近思うのが特にベンチャーは組織のフラット化(表向き。中は大体カオスでぱっぱかぱー)が進み、管理しないといけない部下の数が増えたり、連絡のパイプラインも謎だったり、ハードルが少なくない。

誤解なきよう補足すると、私はマネージャーがプレイヤーで居続けることが悪いとは思わない。プレイヤーという役目を担うことで率先垂範できる側面はあるし、やはり上司の仕事ぶりを見て学ぶことは多い。しかし、リモートワークが浸透していたり、上司と部下のスケジュールがかみ合わないといったことが起きていると、率先垂範どころか、上司がどういう仕事をしているのかさっぱり分からない状況も多いだろう。そして、何気に最大の落とし穴として「プレイヤーとしての実務に多くの時間を当てているマネージャーは、一般的なマネージャーより職場業績が低い」という研究結果が出ている。(経営学習論、職場学習論という本に詳しく記載されております)

話は変わるが、たまにツイッターで管理職の方が「やっぱり飲みニケーションは重要」とツイートしているのを拝見するのだが、飲みニケーションって確か80年代に主流と言われ、バックグラウンドも性別、国籍、雇用形態も違う多種多様な人材がいる現在、昔ほどマネジメントへの効果ってなかったはずでは…と先輩方には非常に申し訳ないが、勝手に心の中で思っている。(うろ覚えなのだが、こういう業務時間外の食事やお酒を挟んだ上司と部下のコミュニケーションは同姓で雇用形態も同じもの同士ではある程度効果を発揮するものの、違う場合あんまり効果ないんじゃね、という研究結果が出ていたはず…)

飲みニケーションでも勤務時間外のお出かけでもなんでもいいのだけど、こういう勤務時間外の直接的なコミュニケーションは今後そこまでマネジメントにおいて効果を発揮しない気がする。

話を元に戻すが、部下育成というのは部下に仕事を任せ、その部下にとって適切と思われる機会にフィードバックと立て直しをすることだと思う。しかし、仕事を任せることにはリスクが伴い、そこに対する責任感を重く感じる人も少なくない。実際、仕事を任せると簡単に言っても、仕事の難易度と部下の能力によってその内容もやり方も、難易度も変わる。

これが答えだというつもりは全くないし、誤解はできるだけ招きたくないのだけど、私が部下育成をしていた時にしたことは基本的に

・部下の能力を把握する
・能力に基づいてあえて少し難しめの仕事を任せる(失敗したらもちろんフォローするし、巻き取るなど責任は取る)
・進捗を管理し、適切なタイミングでフィードバックと立て直しをする

の3つだった。あれやこれや色々試したが、最終的にこの3つに収斂されたような気がする。具体的にどうしたかはまたの機会にnoteにでも書こうと思うが、もしこういうことをしたというアドバイスがあれば教えていただけるとすごく嬉しい。そして、最近ココアにハマっているので(だからいつまで経ってもデブなのだが)、誰か一緒にタリーズかドトール行こうぜ。

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