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物語としてのジャズスタンダード : All Of Me

こんにちは。ジャズを歌っています、みたじゅりです。

ジャズ好きな方なら"ジャズスタンダード"と呼ばれる定番曲をいくつもご存知だと思いますが、「じゃあ実際それってどんなストーリーの曲なの?」と訊かれたら皆さんならどう答えるでしょうか。

このnoteでは、数多あるジャズスタンダードを演奏する上で、 ボーカル=全楽器のなかで唯一言葉を使えるポジションにいる私が実際どんな風に解釈をし、表現につなげようとしているか……をざっくり紹介してみたいと思います。

 #1: All Of Me

まずは王道中の王道から。オリジナルの歌詞がこちらですね。

All of me, why not take all of me
Can't you see? I'm no good without you

Take my lips, I want to lose them
Take my arms, I'll never use them

Your goodbye left me with eyes that cry
How can I go on dear without you

You took the part that once was my heart
So why not take all of me

Lyrics by Gelard Marks / Seymour Simons

それを私なりに解釈するとこんな感じ。

私まるごと持ってってよ
あなたがいないと私どうもだめなんだよね…って見てわかるでしょ

唇なんて要らない だから持ってって
腕だってもう何にも使わないから持ってってよ

あなたにふられて私は涙とおいてけぼり
あなたなしでどうしろって言うの

私の心の一部をあなたは持ってったでしょ
じゃあなんでまるごと全部持ってってくれないの?

和訳 by じゅり

長い余談

実際のところ王道すぎて逆にしっかり歌い込むことをこれまでやってこなかったAll Of Meですが、改めて歌ってみたら「終わった恋に気持ちがブレブレな主人公」の曲だったんですね。

歌詞だけを読むと「フラれてから全然調子出ないじゃん、ほら見て???どうしてくれるの???」「あなたがいないなら唇も腕ももう要らない!」「心ちょっと奪うくらいなら全部持ってってよ!」と基本的にヤケクソ。笑

だけどミディアムスウィングでやる想定ならそこまで勢いで押し切るでもなく、もっと人間くさい気持ちの揺らぎがあると個人的には感じます。

ヤケクソマナーもちょいちょい顔を出すけれど、そうしながらもっと内省に寄る瞬間もある。相手に向かって叫んでいるようで、自分に問いかけてるようでもある(How can I...のところとかね)。

だから歌う時には、そんな失恋したて、怒りと未練の狭間で気持ちブレまくりの主人公を頭のなかに浮かべています。

これを踏まえて、じゃあ実際どう歌ってるの、と気になってくださった方はぜひこちらを聴いてみてください❤︎

歌(私)とベースのジャズデュオ、レスリエといいます。まだ立ち上げたばかりのアカウントですが、noteとも連動しながら色々な曲をお届けしようと思っているので、ぜひチェックしてみてください!(いいね&フォローしていただけたら小躍りして喜びます…まだ駆け出しの身ですが何卒…!)

ではまた次回。

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