見出し画像

あれからサトシはどう生きてきた? 〜音楽座ミュージカル『ラブ・レター』〜

35周年音楽座ミュージカル『ラブ・レター』神戸公演を観た。
ネタバレ嫌な人はここから先は読まないでほしい。

では、始めます。

歌舞伎町で1人生きてきた『サトシ』
気がつけば47歳。誰にも愛されず、かかわらず1人世間から取り残されたように生きる。このまま死んでも誰も関係ない。

この時点でもう号泣でした。寂しい、悲しすぎるよ、サトシ。
でもさ、私も一緒だよ。痛いほど気持ちはわかる。

そんな彼の前に『あの時借りたジャンバー返しにきた』と、ナオミが現れる。そして時空は遡って、『あの時』へ。ちょうど今のサトシの年だったんだ、吾郎は。


ストーリーは、ここから浅田次郎『ラブ・レター』に入る。高野吾郎と白蘭の物語。白蘭が出てくる(手紙)までは、ガチャガチャした歌舞伎町のイメージだし、サトシの記憶もそうなんだろうと思う。しかし、白蘭が出てくるあたりからは『清い』空気感が混じりだす。曲も前回の聞きなじんだ曲。段々と魂が洗い流されていく感じは、多分サトシの心の変化なんじゃないかな。追体験してる。

今回のラブ・レターは、あの出来事の後もやっぱり上手く生きていけなかったサトシに、もう一度がんばれと死者達がエールを送る。鼓舞するわけじゃなく、サトシの生き方を否定するわけでも無く。ただ『今生きている』そのことが大事なんだと。どうせ人はいつか死ぬのだから、今を生きよと。

それが、吾郎が生き直そうとして出来なかったあの年齢と同じ年。

そんな素敵な作品でした。

今までの『ラブ・レター』のサトシは、あの後足を洗い、医者になっていたけれど、今回はその平行世界。人生そう上手くはいかないよなぁと。

先に乗せた画像のシーンあったね、確か。黒猫はえっと🐈‍⬛


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?