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なんの変哲もない日となんの変哲もある日


「うーっ」
「うーっ」
あの二人、今日もビリビリやってます。
「お前なんかに負けねぇ!」
「僕だって!」
ピーっと合図の笛が鳴り、鬼ごっこが開始された。
鬼はあの二人。
小学生の学級会といえば鬼ごっこが定番である。
『あいつより、多く捕まえてやる』
きっと、思いは同じだろうに、なぜ喧嘩をするのか・・・
あ、私、あの二人のクラスメイト、ゆき。
よろしく!
二人とも、逃げ始めた。
やっぱり足が速い人の鬼ごっこは絵になるねぇ〜
『はあ、はあ』
二人とも息が切れそうだ。なんて私は遠くから観察する。
もちろん、逃げることも忘れない。
「なあ、今だけ強力っていうはどうだ?」
「今だけならな」
もちろん、この会話は後で知った。
なので、私はこう思っていた。
おっと、調子がおかしいぞ。
一人しか追いかけていない。しかも協力しているように見える。
女の子が挟み撃ちされて、捕まる。
鬼が増える。その繰り返しだった。
さすがにやばいなぁと思いつつ、私は笑みを漏らす。
ふふっ。やるじゃないの。

ピーッと終わりの笛がなった。
結局私は捕まらなかったのだけど、捕まったということになった。
まあ、学年総勢150人を超えるのだから、仕方ないか。
先生も判別がつかないのだろうし。
それに、楽しかったしね!
「次は負けねぇよ」
「それは僕もだ」

あれ、あの二人、まだバチバチしてる。
大丈夫じゃなさそうね。

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