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どくはく2「私と生理痛」


高校生のころ、子宮をダメにしかけたときがあった。
生理のたびに頭痛、吐き気、腹痛、精神的不調が一気に襲ってきて、毎月ベッドから動けなくなることが何か月も続いた。
結果的に病院にいって検査をしてもらったとき、先生から

「あなたこのままだったら赤ちゃん産めなくなってたかもよ」

と言われてぞっとした。
高校生の私にとっては、その事実は重たかった。

まだ病院に行く前、家で寝込んでいた時、父が朝やってきた。

「今日も行けないのか」

辛くて苦しくて、申し訳なくて、頭がぐちゃぐちゃで、私はなんて答えたらいいかわからなくて、声を殺してぼろぼろ泣いていた。
父はその涙を見たのかわからない、布団で見えなかったかもしれない。

そして、父は大きくため息を吐いて、ぼそっと部屋の扉を閉めながら言った。


「そんなにつらいもんかね、生理って」


あぁ、またわかってもらえなかった。
私が悪いんだ。
私がこんな子だから、学校に行けない、なんにもできない、ダメな子だから。
また呆れられたんだ。
なんでわかってもらえないんだろう。
見放されてしまった。
かなしい。
かなしい。
かなしい。

痛みで泣いてるのか、何がつらくて泣いているのか、もう訳が分からなくてぼろぼろ泣いていた。
ひとりぼっちで、突き放されたのが悲しかったのかな。
しんどかった。
苦しかった。

結局それで、子どもが産めなかったかもしれないぐらい危なかったのだ。
産婦人科に行ったのは母だけだったから、もしかして父はその事実を知らないのかもしれない。
なんでわかってくれないんだろう。
なんで、誰にもわかってもらえないんだろう。
なんでずっと一人なんだろう。

生理痛なんかよりも、苦しみを親に軽く扱われたことのほうがつらかったんだと思う。
ずっと独りぼっちは、つらい。

毎日のコーヒー代に。