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幼い頃の「心の状態」がわたし達の「世界の前提」を決めている。

*この記事は友達小静さんとの往復書簡ブログです。

小静ちゃんへ

お手紙、受け取ったよ。自身のなかの大切な気づきをシェアしてくれてありがとうね。

幼い頃の小静ちゃんが、まだ5歳なのに早起きして片付けをし、帰ってからも家事をしている姿を思い浮かべると、いたたまれなくなった。子どもでありながら、子どもであることを許されない日々は、どんなに小静ちゃんを追い込んだだろうと、胸が痛くなった。

そこに決め込んだビリーフに気づいて、当時の小さな小静ちゃんを迎えに行けて、本当に良かったな。

小静ちゃんの話を聞いて、わたし自身の最近の気づきとも重なった。

信念(硬い決め事)は、トラウマがあって生じることが多いけれど。たった一度のインパクトから生まれた信念と。日を追うごとに広がっていくシミのように、じわじわ生じていく信念と、二種類あるような気がする。

インパクトから生じる信念は、たとえば、父親の一言や、母親の衝撃的なふるまいに一瞬で傷を負って、無意識に何かを決め込むパターン。
一方、じわじわ生じる信念は、両親の持つ価値観とか、性質とかに振り回され、長い年月をかけて自分を傷つけ、無意識に何かを決め込むパターン。

そして、後者の方が、より気づくことが難しい。

わたしも最近、あったんだ。愛しい猫がいなくなって、1ケ月を過ぎた頃、どうしようもない寂しさと、無気力な感覚が襲ってきてね。立ち直ったと思っていたから、なんだか沼に足を取られるような気持ちになったし。たくさんの人たちの助けを借りて、旅だった猫を見送る気持ちになれたと思っていたから、ほとんど誰にも言えなかった。
「またその話か…」と思われるのが怖かったし、自分自身も自分に、少しばかり、がっかりしていたから。

だけれど、その孤独と絶望感は、昔どこかで味わったものであることに気が付いたんだ。そう。わたしは生まれてから20年間近く、猫を失った今のような孤独感と、不安と、「この世はこんなもんだ」と言う諦念の中にあった。

自分の言動一つで、ご機嫌になったり、怒鳴ったりする父のことが大好きで。父が笑顔になると、天にも昇る気持ちになった。だけど、その喜びは一瞬で消えることも知っていて。いずれは、わたしの何気ない言葉で、父は不機嫌になる。すると、どん底に落とされたような気持になる。

「世界に本当の安寧はない。たとえ『愛する者と共にいる』と思えても、結局、最後は独りぼっちになる。この世界はそういう世界」と言う当時の前提が、今の自分の根底に流れていると、気づいたんだよね。

幼い頃の常日頃の「心の状態」が、わたし達の「世界の前提」を決める。

その感覚は、空気のように当たり前で、ほとんど全く自覚することができない。半自動的に働き続けるんだな。

わたしが「独りぼっちで悲しい。生きる希望が持てない」と感じていたのは、愛しい猫が姿を消したからじゃなかった。そもそもの前提が、そうだったんだ。

わたしも、0歳から20歳くらいまでの、過去のわたしを迎えに降りる旅の中にいるよ。

今、海王星が魚座の29度に在して、冥王星はみずがめ座0度付近にある。『潜在意識の痛み』を象徴する二つの天体が、0度付近にやってきて、いよいよパワーマックス。

そのお陰もあって、わたしも小静ちゃんも、容易にすくい上げることのできなかった痛みたちに気がついて、そっとさわりに行く旅の中に在るのかもしれないね。

ずどんと重い、底なし沼のような感覚もあるけれど、星の流れとともに、来たるべくときに身軽になっていくんだろう。その日が来たら、きっとこの日記も、古くて懐かしい思い出になっているんだろう。

モクより


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