今日の詩 5/1/21
長く住んでいた街には
古い寺があり
参道は背の高い木々で縁取られていた
久々に訪れた街は
新しい道ができるという名目で
木が抜かれている
崩壊していく地図
通学路がなくなる
と同時に
私が小学校に通った
という記憶も断ち切られていく
受取人のない感情をつれて
どの街にもあるコーヒーショップでコーヒーを飲んだ
味は見事にうまくもまずくもなかった
それから
どの駅といわれてもそんな気がする駅の改札を通り抜け
ホームに立つと
瞬く間に電車はすべりこみ
私を既知の不幸へと連れ去っていく
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