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ポエトリー

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2018年2月の記事一覧

しずかに

しずかに
しいちゃんが言った
きこえないよ
車の中で口ゲンカをしていた私と息子は黙った
カッチンカッチンカッチン
車は左折
ウィンカーの音が止んだ

お、れ、は、こ、こ、に、い、る、よ

しいちゃんがまた口を開いた
しいちゃんの耳は
私たちの耳には聞こえない声を拾う
次の角で右折なので
またウィンカーを出す
カッチンカッチンカッチン が
お、れ、は、こ、こ、に、い、る、よ
と言っているのだという

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さいたまはどっちですか (Which way is Saitama?)

さいたまはどっちですか (Which way is Saitama?)

なにか気に食わないことでもあったのか
父親と来ていた遊園地を飛び出して
小学二年生の君は住宅街の中へと消えた

取り残された父親は
しばらく待てば戻ってくるかと思ったが
三十分たっても君は現れなかった

その頃、君は
通りかかったカップルに道を聞いていた
「さいたまはどっちですか?」
後楽園から埼玉は歩くには少しある
財布もなくSUICAも持たない小学二年生の男の子を不審に思った若い男女は
彼を交

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君はうんこではなかったのだ

うんこした後にお尻を紙で拭くように
子どもの世話をしてきた
うんこしたのは自分なんだから
それは仕方のないことだった
時々、紙がなくて困った
紙はありすぎても困った

やがてうんこの独立独歩
歩くようになる
口を利くようになる
産んでくれなんて頼んでないと言い出す
わたしだけが産んだ記憶を残している
記憶があるだけに厄介だ

君はうんこではなかったのだ
君はうんこではなかったのだ