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2016年11月の記事一覧
雨の日 森はきっと静かで騒がしいのだと思う
散る葉を惜しんで森に通う
雨の日は鳥を見る人たちがいないので
森はとても静かだ
鳥は雨の日でも鳴いているが
木から木へと横断する大きな巣を空にして
女郎蜘蛛は姿を消している
雨粒が彼女の家を飾る
もう卵は仕込まれたのか
それとも種は途絶えてしまうのか
他者を愛する機会は往々にして誰にもひとしく与えられるが
それを活かせるとは限らない
主のいない巣を見てそんなことを思う
散る
完璧なおばさんになるには
おばさんってなんかこわいと思っているうちに
いつのまにかおばさんと呼ばれても違和感のない年齢になった
なのにいまだにおばさんがこわい
おばさんは理由も根拠もなく堂々としている
だからいばっているようにみえる
私なんかはさらに被害妄想が発動して
怒られるんじゃないかと思ってしまう
おばさんに正義は似合うが
おばさんに恥じらいは似合わない
おばさんに文句は似合うが
おばさんに熟考は