「本当の貧困の話をしよう」より

こんにちは(*'▽')

経済を回すのは、人間がモノやサービスを流通させて豊かに生きるための手段でしかなく、本来目的ではないはず!との思い強まる、2021年の春です。


現在の資本主義社会では、『人間は利己的である』という考えが前提になっています。この考えは部分的には正しいのですが、部分的には間違っています。すべての人間は利己的であり、同時に利己的ではないのです。この利己的でない部分が現在、無視されて取り残されているのです。自身が受け取る利益を追求する以外の目的、すなわち『誰かを助けたい』『社会を良くしたい』という無私の気持ちだけでもビジネスは成立するのではないでしょうか。

ムハマド・ユヌス

『本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式』(石井光太、文藝春秋、2019年)より


ムハマド・ユヌスさんは本書の中で、マイクロファイナンス(Microfinance)の発案者、「グラミン銀行」をつくった人物として紹介されています。借主を女性に限定して、貧困層の人でも小口の融資などを受けられるようにし、その功績で2006年にノーベル平和賞を受賞しているということです。借主を女性限定にするのは、女性は生活を守るために節約し、他のメンバーに迷惑をかけないよう一生懸命に返済しようとするから、という見立てがあるからのようです。

本書では、貧困の方程式②うまくいかない子ver.を例に挙げています。

環境の悪さ(虐待、差別、いじめ) × 劣等感(絶望、あきらめ) = 自己否定感

自己否定感は、たとえばスポーツをする相手がいない、母親が仕事で疲れ切って会話がない、誕生日を祝ってもらえないなど、一日に何回も、何年にもわたって体験することで根深くなっていき、人生を破壊する「心のガン」だといいます。貧困者は常に富める人と競争を強いられたり、格差を見せつけられたりすることで自己否定感を抱きがち、そうならざるを得ない状況です。コロナ禍で学校を中退する若者が増えてきているニュースを見聞きして、どうにかならないものかな?と考えます。先のことが見通せない状況で、奨学金も返済のこと考えると高い壁だよな、と。

この国は、はたして先進国なのかな?と疑問をいだく今日この頃。

Survive ☆

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